【④夏空見上げて、道東へ。七夕で織姫様に会いに】川遊びラスト(涙)
いつまでも、仕事ジャンルでお金に繋がらない釣りをしていてはいけません。お遊びは、そろそろ終了です。
しかし私はトラウトゲームから得ようとしている事があります。それは『気持ちの展開から転換出来る意識作り』なのです。これは、ずっと私は心に置いて川遊びをしてきました。
海の仕事場では気を張り、常に結果と背中合せでの平松慶。当たり前です。各社メーカー様から信頼され、サポートを受けている以上、私に期待をして下さっているより多くをメーカー様に返さなくてはならない。それが釣果なのか、製品知識なのか、人間的姿勢なのか。
たくさん求められている側として、仕事場(海)では気を抜きたくないのです。それがプライドなのです。
例えば…依頼された原稿入稿に絶対に穴を空けない。今、有名とされているプロアングラーの中には「釣果が出なかったから」と言う理由で当たり前の様に雑誌ページに穴を空ける人がいた。
釣り業界の重鎮編集長はそんなプロアングラーの身勝手な行動に「私が編集長でいる間は、絶対に彼を使わない」と公言していました。
それを聞く前から私は原稿入稿の重さを感じていましたが、その内容を知り、更に自分への気持ちの持ち方に対して意識する様になりました。
これがプロ。メーカー様からは、その方に人柄でお願いする事、その繋がりで人間力をみます。どれだけ釣りが上手く、どれだけ大手スポンサーが付いたとしても、業界人から後ろ指を1本でも差されたらダメなんですよね。だから私は仕事場では気を引き締めているんです。
しかし川は、私にとって安らぎであり、憩いであり、なんと言っても遊びなんです。流れる中に佇み、岩に腰を下ろしたり、鳥の声をきいたり、それが仕事場への強い意識に変われるんです。
私は海だけで必死です。でも川遊びで得たヒントは海に繋がります。翌日からの積丹半島ブリジギング取材は、完全に『川の流れの中でのメタルジグ操作』になります。
ソルトワールドの古い号で私とケイタンジグの特集6ページを書いてもらった事があります。これを読むと、メタルジグに対して『自分の位置に対する角度』が詳しく書かれています。
10年弱位前の号だったかな。『流れの中でジグをミノーの様に探る』は、当時から私がヒラマサやブリを連発するテクニックに絡めた構成で描かれており、積丹半島やオホーツク海、また山陰エリアの出雲ゲームなど、全てがそこに当てはまります。
川遊びは心を休める時間。川遊びは、持論を川魚で確認する時間。川遊びは大量のエネルギーが養える時間。だから、最近は特に必修科目の様に取り入れているのです。
秋からの九州対馬や、沖縄GTなど、またハイクラスな環境で釣りを展開していかなくてはなりません。その為にも川遊び時間を大切にし、意欲を常に果敢に持てる様にコンディションを整え、楽しみたいと思っております。
川遊びは、余興ではない、川遊びこそ、意欲コントロールの糧になって私を支えてくれています。
この日は3時には歯を磨き、行き先をアプリ情報で確認し、薄明るくなるタイミングで出発。『平松号』は西に北に、南にと走り回ってくれます。
小さなニジマスが流芯の陰から飛び出してきました。小さなアメマスは大きな岩の後ろの澱みにいました。
流れる川は、魚の角度とつき位置を知らせてくれます。
積丹半島でそれを実証してきますね。午前中、川遊びを満喫し、札幌に向かいます。