【平松慶とフライフィッシング】2025GW前から始まった、初めての闘いは…。

つり

【平松慶とフライフィッシング】2025GW前から始まった、初めての闘いは…。

昨年2024年の秋、何となく「フライフィッシングをやってみたいなぁ」と北海道某川で立ち込んでいた時に、フッと感じた。

トラウトゲームを近年熱心に楽しんでいる姿は、これまで何度も【いいぶさ日記】内でお伝えしてきました。

今だから言える、その理由のひとつに川(流れ)の釣りの難しさを海の釣りに取り入れて行きたい…ずっとオフショアロッドを握りながら感じてきた事で、それをまずはルアーで実践してみる事から始めたのです。

流れの中でのオフショアゲームは難しさの連続。キャスティングゲーム、ジギングゲーム、共にです。

その難しさをあからさまにしたのは、インドネシア・コモド島でのGTフィッシング。ポッパーでGT(ジャイアントトレバリー)を誘い出すスタイルなのですが、150g以上あるプラグをPE12号でキャストし、GTが沈んでいるであろう位置に通していく。

海の流れは4ノット、5ノットにもなり、船は時に回り出し舵が効かない安定を定かにしない状況からのアプローチ。ポッパーが着水した瞬間から自分とルアーとの位置に角度がつく。ラインは太く抵抗がありすぐに流れに揉まれて持っていかれてしまう。

こうした状況下でのスリリングでありダイナミックなGTフィッシングは、私はキャスティングゲームの中でも類のない難しい釣りだと思っています。

その全てを自分なりに理解して魚(GT)を出した時のたまらない達成感、これがGTフィッシングの魅力だと言い切れるのです。

潮目のある水深100m以上深い位置に生息しているヒラマサを狙う。

ただ重いだけのメタルジグ投入は継続性に欠け、体力的にもゲームが成立しない。底潮が動く。二枚潮。表層だけの潮。流れ方は様々だし、それに加えての風が船を流している。

メタルジグを1回落とすだけで様々な状況判断がジギングにも必要となり、流れだけでない要素を把握しなくては釣果に繋がらないのです。

いかに狙った魚を理解して釣るか。この難しさはキャスティングもジギングも全て「流れの中の様子を把握する」が必要不可欠なのです。

そんな事をずっと考えてきて、大好きなオフショアスタイルから、もうひとつ引き出しが増やせれる釣りゲームを自身の中に取り入れてみたかったのです。

9年間ほど、ルアーでトラウトゲームをやってきました。意識して魚影の濃いネイティブな魚が生息する北海道だけに絞り河川も湖も海も、ショアスタイルでトラウトゲームを徹底した。

そして釣果と比例する様に見えてきたのは「魚(トラウト)の捕食層と流れに対しての魚の位置(向き)」。

これは明らかにオフショアゲームと相する事が多く、下手くそながらトラウトゲームでの魚とのコンタクトは多くなってきた。ストラクチャー(水中の岩など)も同じ考え方でマス類と青物は相似していた。

こうした30年以上のオフショアゲーム経験と淡水トラウトゲームの重ね合わせ、擦り合わせがじわじわと見えてきた時に「フライフィッシング」への興味が表れてきたのです。

その日も私は河川に立ち込み、ミノープラグを投げていました。

隣には10フィートを超えるロッドに、太いラインで風を切る音をたてながらフライロッドを降っている。

私はミノープラグでボトムの凹凸を感じながらトラウトの行動層を探してはアメマスを狙っていた。ここだ、と思う位置では、ほぼ必ずといって良いほどアメマスからの反応があり、少し得意気にもなっていました。

隣のフライマンを横目でじっと観察させてもらった。

私がルアーをキャストする回数に対して、フライを投入するのは1/2。この方は相当フライフィッシングに精通している方なんだろうな、と未経験の私にもわかる。他のフライマンよりも手返しが早く、スムーズな釣りをされていたからです。

私の横目は止まりません。

さほど振り返らずにフライラインを飛ばし、カウントダウンをして、バケットにラインを回収している。何度も何度もみた。

キャスト後のメンディング、カウントダウンの差、ライン回収(リトリーブでしょうね)のスピード、フライのチェンジ。どれもが計算された様な、選び抜いて動く凄さ。

そうでなければ引き出しを開けて探りまくる様子に、魚の捕食スピードや捕食層などを軽いフライで探っているのにかなりのセンセーショナルな思いを感じた。

「もの凄く緻密で繊細な釣りだ」と。

フライマンのイメージは、優雅でのんびりとフライラインを飛ばし、釣果以上に環境に馴染んで空間を楽しむものだ、とどこか私の中には持っていた。

しかし、明らかに隣のフライマンは緻密な「釣り」をされていた。そして、ズラッと一列に広く並んだフライマンの中で、その方だけはダントツに魚を掛けていたのだ。

あまりにもジロジロ見ている私(後半は、ガン見でした)に優しく声を掛けてくださり、自分の立った位置からのアプローチで魚の口に掛かるフライの左右位置が一致している事まで教えて下さった。

海の様な水深のない河川エリアで魚の向きと捕食(回遊)している層の魚にどの向きで掛ける(釣る)のが一番効率的なのか、を説明してくれたのです。

内容に圧倒的なインパクトのあるフライマン、これまでたくさんの【名人】と言われる釣り人と出逢ってきましたが、その方は私の中でも相当な上位。

それほどのインパクトのある方と、たった数分だったのですが釣り談話が出来、フライフィッシングへの魅力に興味を持ってしまったのでした。

名前も何も知らない、ちょっと「イケオジ」なフライマンでした。優しい口調で謙遜しながら語る口調は、私の気持ちをグイグイと引きつけていく。

「この人、魚の事よく知ってるなぁ」「もう一度会えるなら、もっともっと釣りの事を会話したい」そう今でも思っているのです。

その時に「このフライフィッシング、自分の釣りに取り込みたい」と強く思い、今年春に動き出したのです。

パタゴニア

フライタックルをさて、どうしようか…から始まりました。最初から大枚はたいてタックル購入は考えませんでした。

北海道の加藤達也さんに聞いてみたら「何年も前に少し使ったフライセットなら、倉庫にあるかも」。すぐに探してもらい、送ってもらいました。

私が20代の頃に釣具屋勤務時によく販売した《コータック フライセット》。ひと目みてわかりました。仕事ですからね、販売してきた製品の事はよく知っています。

それを持ち、近くの公園へ。どうせスタートするなら、イチからなので姿を残したいと思いYouTube更新も重ねて動く様にしました。

事柄のスタートは、誰にでもある。初体験、初心者だ、という気持ちと「初心者の気持ち」もあらためて感じ取れるタイミングになったのです。

私はオフショアゲームで年間何度も講習会を開催してもらっておりたくさんのオフショアゲーム初心者と接する時間があります。

「これ位はわかっているだろう」「こんな事は予習しとけよ」そんな気持ちになっていた時期も、実はありました。自分の愚かさです。

自分が初めて新しい事、不得意な事を学ぼう、トライしようと動いた時に、その専門者の態度と口調、行動が最近やたらと気になり始めています。

私はパソコンが今も相当苦手。ある方は「私がわかっている事も丁寧に」何度も教えてくれます。

ある方は「これくらいは覚えておいて下さい」と言う。

ムカッときましたが、敢えて態度には出さず、流したのですが、これこそ「新しい事を学ぶ(伝える)際に必要な大人の対応だ」と感じています。

伝える側の私も、学ぶ側の私も、どちらも今存在しています。

そうした場面で見えてくる人間行動って、もの凄く大切であるし、誰とは言わないですが「この人、終わってるな」と私自身が思われない様に意識した行動と発言を心掛けていきたい、と最近強く感じています。

だから、初心者フライフィッシング動画を撮り始め、自身を見返せる様に、また人への伝え方の勉強も踏まえてこうした動画配信までの行動をやっています。

昨年秋に出逢ったフライマンさん。もしかしたら、この方との出会いが無かったら、自分への見直しも含めて今の行動はなかっただろうな、と感じています。

フライフィッシング初心者の、全くつまらない動画でありますが、私なりにこの動画更新は色々な事を詰め込み、考え、メッセージとして編集更新をしています。是非、そんな目線でご覧下されば、幸いです。

パタゴニア

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