【アングリングvol.160〜解禁準備室】2000年3月1日発行

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【アングリングvol.160〜解禁準備室】2000年3月1日発行

パタゴニア

昨日20日は商いの締日であり、商品納品や伝票作成等、集中する日でした。21時迄には終わり、事務所を整理して帰宅。

長男は定時で会社から戻っており、晩ご飯を済ませていた。「お父さん、甲子園(夏)無くなったね…」今年の夏の甲子園はやはりコロナウイルス影響で中止になったか…。教育実習を昨年していた長男は高校生への気持ちも含め複雑な心境だったのだろう。

コロナで高校生のインターハイ、甲子園、と部活野郎達が目指す目標が無くなってしまったのだ。これを自分自身の高校時代に置き換えてみると…。正直、震えが止まらない。

甲子園が、無くなる?インターハイ予選が無い?部活動(柔道)特待生でスポーツ学校の中京高等学校(現 中京大中京)に進学し、中学生の3学期末から高校へ練習に通い、春休みから合宿、高校1年の2泊3日夏山レクレーションも試合前で校内練習(合宿場生活)で参加せず、夏休みは数えるほどの休日と数えられない遠征や大学出稽古の日々。

秋もほぼ全ての日程で休みはなく1週間7日間の1日だけがウェイトトレーニングのみ、で実はその日が一番嬉しかった。だって柔道衣を着ない日であり、夕方には帰れるからだ。

朝、星を見て自転車で高校に向かい、夜星が高い位置になってから帰宅。更に道場も行かなければならない時もあり、柔道、柔道、柔道の毎日。

パタゴニア

修学旅行も練習だったから行ってないし、やり込んでる高校ならお正月は1日休みだけだったのはどこの高校も多分一緒じゃないだろうか…。

それでも目標にしていたインターハイ出場は目の前で途絶えたのだ…。国体もあと一歩。春の選手権大会も全国まで、あと一歩…。高校時代の部活達成は、私にとってはこれだけしかない。インターハイにも出ていなければ、国体も春の選手権大会、ジュニアも何もなし。でも、必死になって全国、全国、全国、…と柔道を打ち込む『目標』があったから頑張り抜けたのだろうと思うんだよな。

その時培った粘りや根性や達成意欲などが今になって活きていると思っている。「何くそ‼️」と必死になれる気持ち、絶対に逃げちゃいけない、と言う目の前にある難題に立ち向かう勇気、そう言った全てが高校時代の部活魂で築き上げられたのだろう、と思うんだよね。

高校時代にあと一歩が足らなかったから、大学柔道まで気持ちが続き、一応自分の中では達成する事ができ納得して柔道は二度と出来ないと医者から言われた頸椎損傷の手術も受けられたし、次なる目標を見つけ貫く事(釣り)が出来たのだろうと感じる。

今回のアングリングを観ていても、本当にこの頃2000年前後から、驚異的に遠征へ出ていたし、海の道場で練習をしていた。とにかく練習するしか、ない。釣りが下手な上、巨大魚と闘うのは、いつ現れるか予想も出来ない魚を常に意識してフィールドに通わなくては『いざ』時に対応出来ないのだ。

高校時代の、1日30試合以上の練習試合を2日も3日も合宿でやり続け、試合慣れをしていく姿が後々私の沖縄や奄美大島に通う姿と似ており、やってる事は違えど、行動内容は同じなのだ。柔道で花は開かなかった凡人であるが、その凡人でも高校時代にやり遂げた達成感が身体に染み付いているからこそ、今があるのだと思っている。

目標へのチャレンジ、それも人生における大人への成長過渡期に『チャレンジ』させてやれない惨さに、涙するしかない悔しさ。

高校野球は甲子園が全てじゃない、と言うが、当時同級生の野球部連中は『甲子園が命。甲子園の花道を歩くぞ』と口癖の様に言っていた、行けない修学旅行期間を図書室で共にした野球部員の顔が、昨夜はたくさん出てきた。

高校卒業後にドラフトで入団、プロ野球で輝かしく活躍し、現在はコーチで指導しているのも居る。彼らの考えは、どうなのだろうか…見えない巨大な恐ろしいモンスターにただひたすら身を隠すだけしか対処が出来ないもどかしさ。胸が張り裂けそうになる思い、とはこの事だろう。

昨日は商いの締日。目標に向け必死になれる気持ちは、高校時代にインターハイ出場に向けてやり込んだ経験があるからだと、私は絶対に言える。コロナウイルスよ、頼むから消えてくれ。心から怒っているよ。全てにおいて悔し過ぎる。

【データ】
誌名:アングリング vol.160
出版社:株式会社廣済堂出版
編集長:伊藤 裕
毎月10日発行
2000年3月1日発行

パタゴニア

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