【ザ・開高健 読売新聞社】明日から9月。秋の夜長に至福の時。
文章を読むのが大嫌いだった、中学生時代。
赤川次郎やら人気作家さん文学は、クラスの頭の良い子に好かれようと読んでるフリなんかはしていたが、専ら、写真スクープ雑誌が主流になる学生時代。
「本(活字)を読む事⁉️好きなわけ無いじゃん‼️」そう言い通して大学生まで育ってしまい、相当な後悔をした私。
後悔した、と感じられる時は、かなり切羽詰まった状態であり、そんな時に足掻いてもどうにもこうにもならない。
しかし足掻いてみるだけの価値はあり、その当時、私の中での「第二次釣りブーム」が訪れていた時であったので、やたら釣りにまつわる本を手にした時期でもある。
その時に知ったのが《開高健先生》である。
世界中を釣り歩き、「プレイボーイ」と言う雑誌(週刊の、ソレじゃないよ)(ソレは、ソレで好きでしたが)に猛烈な興奮画像と共に魚体を晒し、パイプを咥えたお洒落なオッさんのページがカラーで掲載されていた。
他のグラビアページは金髪のグラマーなお姉さん。でもこの短足っぽい小太りなオッさん(最大なる敬意を込めて。申し訳ございません。こう表現させてください。最初のインパクトなので)が抱く美人は見たこともない魚体であり、その毎度に私は興奮を隠せなかった。
他のピンクなページよりも興奮したのは、絶対である。その時に知ったオッさん《開高健先生》の描くひと言や、文章にぐいぐい引き込まれ魅力された。
「いつか、こんな文章力を持ち、釣りの表現をしてみたい」そう思い出した頃から、関西エリアでちょくちょく文章を書かせてもらうバイトが増えていった。
だからこの釣り好きなオッさん《開高健先生》の本を読み漁る様になり、表現を真似したくメモなどを取りまくっていた頃が懐かしい。
関西弁で話すコマーシャルはウイスキーの広告だった。
今思えば、それをリアルに観れていただけでも宝物。まさか釣りを私が生涯の仕事として選ぶなんて、まだ轍にぶれ、軌道を掴めない時だったから思っても見なかった。
しかし、今こうして毎月人気釣り雑誌に連載を書かせていただき、釣りをする仕事を自分から投稿するのではなく、出版社側から依頼され動けると言う誇りを、オッさんだなんて表現して情けない程なのだが、開高健先生が書いていた書物に強烈に刺激された事は間違いない。
今回、この【ザ・開高健】は中古販売先で入手する事が出来た。
このMookは先生の没後すぐの追悼本みたいに読売新聞社より発売された。
気付いた時には全く入手は不可能で、ホンネ諦めかけていた、と言うより忘れかけていた。
それが偶然私の前に現れたのもきっと何かの報せなのだろう。
迷わず手にして、これから時間をかけて何度も何度も読み直したいと思います。
嬉しい一誌。忘れかけていた一誌。
暑い日もまだまだ続くだろうが、喜びと期待に満ちて1ページずつ文字を熟読していきたいと思っている。