柔道繋がりの方から頂いたのが、壱岐(長崎県)の郷土食材の《ありまとう》。
おにぎりよりも大きくて、子供の拳ほどあるサイズ。私は壱岐ヒラマサツアー時などでよく食べたので知ってはいましたが、我が家の連中は当然誰も知らず興味津々。
練り物が好きな家族なだけに晩ご飯を楽しみにしていた。
午前中の柔道時間で受け取り、午後から仕事で晩ご飯時に帰宅。さっそく食べたい、と次男坊は待っていた。他のおかずよりも《ありまとう》から箸が進む。
私は焼酎炭酸割りでいただく。口に入れると、練り物の味が広がる。噛む事に、擦り身味がしっかりと伝わってくる。それを焼酎で流し込む。絶品。
家族らの箸が止まらない。擦り身の中には、ゆで卵が入っており、何となくゆで卵にも擦り身の味が浸透している。
ひと端を箸で摘み、口に入れる。噛む。焼酎に手が行く。止まらないのだ。
壱岐泊でヒラマサ釣りの夜は、よく民宿で出してもらった。何となく懐かしい味をしみじみ思う。その時の釣り仲間の顔が浮かんでくる。
郷土食材の食べ物って、その場面を思い出させてくれる。
例えばナシゴレンを食べたら、蒸し暑いバリ島の昼やガムランの音色が響くワルンの様子がさっと浮かんで来る。
分厚いステーキにナイフを入れた時、口に広がる牛肉の脂がオーストラリアのケアンズなのだ。
オリオンビールは《ぜんざいの富士家》仲間と飲み明かした味だし、ね。
海外や日本各地を歩き回って生活してきた20年は舌から脳に刻まれた思い出ばかり。食べ物は、その土地の文化であり、脳に刻まれた記憶は舌によって当時を再現してくれるのだ。
《ありまとう》は、ヒラマサの味。擦り身自体はヒラマサやブリ、マグロじゃないのだが、私にとっての《ありまとう》は忘れられない玄界灘の味なんだよなぁ。
そんな事を思いながら、焼酎と共にゆっくり頂いたのでした。
その翌日。再び若(駒木勝)先生から、今度は玉ねぎをいただきました。畑をやっており、旬のお野菜を持って来てくださる。ジャガイモや葉生姜、ネギに…とお野菜の差し入れをして下さる。ホント有り難いです。
若先生が丁寧に育てたお野菜。普段の柔道姿からは想像も付かないのですが、野菜を育てる方は心が綺麗な人。玉ねぎ、嬉しかったです。
まずはサラダで昨晩はいただきました。今夜あたり、焼いて食べたいと思います。また飲み過ぎてしまうんだろうなぁ。
親子共々、感謝でいっぱいです。