最終日。ここまでの2日間、釣果という目立った結果がなく少し心配が過る。
ただ、間違いなく魚(対象サイズ)は居る。だから絶対に諦めない。「結果」を出す事が私の使命であり、それを目的で八丈島まで来たのだ。
だから集中してカンパチを狙いたい。大本さんも気合いが入っている。スポンサー広報の立原さんはお疲れの様子かな…。大丈夫、私が釣れば(映像を提供出来る状況を作れば)いいのだ。
そんな思いを持ち、いつもより早起きで出発準備をすませた。
3日目ともなると朝の行動がわかってくる。車は八重根港へと向かった。第8幸漁丸船長は、すでに出船準備ができており、待ってくれていた。
今日は初日の更に沖に行くと言う。
八丈小島は今ひとつだった昨日の様子をみて、ここは一発勝負の場所へとの相談に、もちろん文句なく意欲満々で賛成。「一発勝負のポイント」って興奮する。
細かいカンパチは少なく、型が見られると。ラストはそれに尽きる。燃え尽きたい。全集中での釣りがスタートになった。
ポイントは100M前後から駆け上がったり、下がったり、と起伏のあるポイント。根掛かりも注意しなくては…と船長からのアドバイス。
さあ、スタートだ。
この日の潮周りは10時半に潮止まりになる。そのタイミングが最も集中出来る。潮止まり直前のベストタイム。大型が狙えるタイミングだ。
最終日なだけに、潮が止まったら終わろう、との話にもなっていた。
ポイントは潮の流れもそこそこあるので、スタートからKEI-JIG SHARP 260gやら、KEI-JIG 235g、Gummy 280gなどを使う。
小型カンパチを1本追加した朝一から、8時のタイミングで大本さんが7kgのカンパチをヒット。
ボトムから40Mあたりでのヒットで、Gummy 280gで食わせた。
[ファゾムⅡ 2スピード]の動画は大本さんの出番。スピニングの[オーソリティ]は私、という暗黙が出来上がっており、まずは大本さんが無事映像を収めることに成功。この1尾で気合いが更に入った。
さあ、狙うぞ。続いて、立原さんが[ファゾムⅡ 2スピード]にてキハダをヒット。船べりでラインブレイクしてしまったが、ドラグが泣く(走り出す)動画はここでもしっかりと撮ることが出来た。
雰囲気がどんどん良くなっている。潮が止まる前に、何とかして私も良型を掛けてやるぞ、と気合いMAX。
潮はヘビーメタルジグを泳がせる様に動いている。重いジグが軽くなるタイミング、これは潮が動いている証拠。ジグをしゃくっていても、本当に掛かりそうな雰囲気がロッドに伝わってくる。
「食いそう」「食いそう」と呟いてしゃくる私の姿をカメラマンさんもきっと期待してくれているのだろうと思うほど、私自身が一番ワクワクしてしゃくっていた。
時計は10時15分。あと15分で潮止まりか…そんな事を思いながらしゃくっているとミヨシ側でヒットした、と船長が教えてくれる。
いよいよだ、俺にも…そんなアゲアゲ(古いね)気分でしゃくっている私に「すみません…細い道具(タックル)なので、追いますね」と。
フォローを入れるようで、船は魚に合わせて動き出した。誰が掛けたのだろう…とミヨシ側を覗いてみる。
「えっ?」広告代理店関係の方が絵撮り用でスローの道具を落とした際に魚がヒットしたようだ。
「おいおい、この一番集中しているタイミングで掛けるのか…早く上げてくれよ」そう思った。いや、聞こえない程度で口にしたはず。
しかしヒットしている以上、その方もファイトを続けるので見守るしか仕方ない。
船は掛かった魚に合わせてフォローを入れている。本人も動き回って細仕掛けの道具でやり取りをして動き回っている…。
「いい加減にしてくれよ」口に出しそうになった。
映像にならない人がロッドを持って掛けてしまい、ベストタイミングの時に船を占領している。
掛けてる広告代理店の人はトモに回ってきて「これ、根掛かり?」なんて言っている。「魚だよ!」と言いたかったが、我慢。
遊びで俺はここに来てるんじゃないんだぞ…、何度も叫びそうになった。でも。
私の前で彼が発した言葉には堪忍袋の尾が切れた。
「俺の顔を差し替えて平松さんの顔にして」とカメラマンさんにふざけて言ったのだ。
この言葉には、ブチ切れたがとにかくさっさと上げて欲しいと願うしかない。
今、海の状況はどんなタイミングなのか。わかっているのだろうか…。本人は遊び程度でジグを落とし、演者ではない枠で釣りを楽しんだ。
きっと軽い気持ちでジグを落とし、小さな魚でも釣れたら楽しいだろう、そんな気分だったときっと思う。
大の大人が5人もわざわざ飛行機に乗り、予算を立ててこうして一級場でのロケをしている意味、これを理解していたのだろうか。
私は自身が納得する魚をまだ映像に収めてもらっておらず、こんな事を言っていると「負け惜しみ」みたいになってしまう。
しかし、今回は全員が割り勘で楽しむ釣行会では無いのだ。
フィッシングショーに向けたイメージ動画の撮影が今回の主旨で、釣らなくてはならないのが誰なのか、を明らかになっており、ピントがズレての行動にもなっている。
時計をみると、1時間もファイトしている。これが、他の演者によるファイトであれば、それは素直に嬉しい事になるし、私自身も「釣れていない事への」反省しなくてはならないだろう。
ただ、畳の上に上がらせてくれない状態で、貴方の負け‼️と言われるのは納得がいかない。
土俵に上がれないなら、仕切直しが本来でしょう。
広告代理店の方も、PENNのウエアーを身にまとい最初からしっかりと釣りを演じる出演アングラーで最初からあるならば、こんな不快な気持ちにもならなかったはず。
結果15kgのカンパチが上がった。船長はもの凄く複雑な顔をして、トモでひとりいた私に問いてきた。
「潮が止まってますが、まだやりますか?延長されますか?」と。
漁師生業の船長なだけに、海の様子は誰よりも把握している。それでも私は釣りが出来る(試合が出来る)時間いっぱいまで闘わせて欲しい、とお願いした。
船をポイントに入れ直し、ジグを落とす。完全に潮は止まっていた。
普段プライベートな釣りならば、絶対に私は休むタイミングだ。私も一応は他の方よりも海の様子は分かっているつもりだ。
本日、ここに何をしに来たのか。最終日のこのタイミングに演者は何を目的で向き合っているのか…。それを分かっている大本さんの顔が複雑になっているのが、偏光グラス越しから見てわかる。
厳しかったこれまでとは違い、3日目のロケ環境最高な天候、大潮前の中潮、ベタ凪。分かって欲しかった、このタイミングがどれだけ貴重なタイミングなのかと言う事を。
残り1時間弱、小さなカンパチがヒットしたが、やはり潮は期待する様な流れにはならず、ロッドオフとなり3日間のロケは終了となりました。
今回、少しネガティヴな内容を含めての更新になりました。しかし、これが事実です。
多くのスタッフに囲まれ、3日間の釣行ロケの組み立てをし、現場に入って調整しながらピークを迎えたタイミング。求めていた映像を提供出来なかった情けなさをネガティヴな内容と擦り合わせない様にしたい。
釣りで闘いをしたかった。勝ち、負け、をはっきりと自身が納得するロケにしたかった。
もし、3日間の釣行ロケ中に、私が1秒でも寝たり、釣りを放棄する場面があったのなら、今回書いた内容は私の言いがかりに過ぎないが、全力で向き合った仕事なだけに、ショックを持ったラスト日になったのでした。
八丈島釣行。夢があります。もの凄く面白い魅力的なフィールドだと再確認する事が出来ました。
玄界灘の対馬や北海道、日本海丹後、山陰、どこも魅力はあります。それぞれのフィールドにある特徴を攻略し結果に繋げていくのが、私の仕事です。
御蔵島とはまた違った環境で今回釣りをさせてもらえ、あらためてジギングの面白さや奥深さを感じられました。
もう一度仕切り直して八丈島の海に帰ってきたいです。
自然相手だから、今回のスペシャルなコンディションに巡り合う事は何万分の1の確率になるでしょうが、チャンスを繋げていきたいと思っています。
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