2020年の開催時は、パタゴニアブースで3日間お手伝いをしてからのコロナ時代。
時はあの頃を取り戻し、今年はピュアフィッシングブースでのPENNインストラクターとしてお手伝いしてきました。
私はペンリールの総代理メーカーとなるピュアフィッシングジャパンとのプロ契約を今明かすと2022年12月に一方的な解約となりフリーとなった。
この時にあまりにも酷い一方的な解約、その不明なプロ解約に相当な怒りを感じたし、理不尽な対応が許せなかった。
私だけでなく、各ジャンルの全員へのプロ契約者の有名アングラーが一瞬にして解約された事に相当な憤りを感じ、当てる相手もいなくて怒りまくった。
「ひどいよな」では済まされない仕打ち。今思い出しても、よく我慢したよなぁ…と自分に驚くほど。それほど怒りを抑える事が出来ない程であった。
それからの2年間は、実は様々なメーカー様がこんな私にもお声がけして下さり、拾ってくれる様なお話もたくさん頂いた。
「ピュアフィッシング、もう離れようかな」と気持ちの中でも何万回と感じた思いがありました。
ただそれをしなかったのは、最初にピュアフィッシングへのお声がけをして下さった広報担当の立原資朗さんがまだピュアフィッシングに在籍されていたから。
立原さんとのお付き合いは、実に古い。
最初にお付き合いが始まったのは、立原さんが在籍されていたオリンピック{釣具メーカー}。
Abuと言うベイトリールを使ってジギングをする。そのタイミングでAbuとエイハブと言うスピニングリールをオフショアで使う契約をさせていただいた。
契約当時1998年頃の話です。
そこからオフショアゲームで使うリールのフルサポートを受け、私のオフショアゲーム環境も豊かになってきた。
《マーフィックス》と言うベイトリールはご存知でしょうか。オリンピックが作ったオフショア専用のジギングリールです。
当時は画期的で、それはセンセーショナルなリールデビューだったと記憶しております。
マーフィックスはオフショアベイトリールを一世風靡。さあ、更に…といったタイミングでなんと母体となる{オリンピック釣具}が廃業。
釣りプロ1度目の途方に暮れた出来事でした。
しかし、そのタイミングで私はシマノにオフショアリールのサポートをして頂ける事となり、2000年前期からはシマノさんにお世話になる事に。02ステラ前からの話ですね。
あのブルーボディーの02ステラはたくさんテストさせていただき、使わせてもらい平松シマノリール時代到来。それから2016年まではずっとステラと共にオフショアゲームを共にしてきたのでした。
そんなタイミングで、フィッシングショーで立原さんがピュアフィッシングというブランドにいる…うちのブースに顔出して下さい、とフィッシングショー時に半ば強引にブースに連れていかれたのをしっかり記憶しています。
「PENNのスピニングリールを日本でもう一度盛り上げたい。チカラを貸して欲しい」
直球で言われた。あの場面は、まだ目に焼き付いています。
「無理っすよ、シマノさんでリールお世話になってますから」そう伝え、お断りをしました。
それでも立原さんとお会いする度に「どうでしょうか。どうでしょうか。」とこんな私にお声がけを続けて下さった。
その時代、世の中は世界一のスピニングリール《ステラ》。
世界に誇るスピニングリールと日本のスピニングリールがなり、これ以上ない有り難い待遇でオフショアリールをサポートしていただいていた。
世界に誇るシマノのステラスピニングリールです。
その時代に日本からは完全にPENNリールの需要は消え、私のみえるオフショア環境で誰一人PENNリールを使う人はいないし、日本市場から、いやオフショアアングラーの記憶から完全に消えたリールだったのでした。
(※一部のユーザーは並行輸入等の製品を使っていました)
今更、世界一のスピニングリールを使える環境である自分がPENNリールなんて、と当時を思い出しても全く考えもなかった。ホントに使う気など無かった。それを…なぜ。
立原さんからのラブコールはお断りを続けても、忘れた頃に必ず入った。
『平松慶でもう一度、日本にPENNを広めて欲しい』。この言葉が断り続けてきた私の気持ちを揺るがしました。そして、立原さんの熱い想いを。
完全に気持ち負けした感は否めないのですが、それ以上に違う思いも盛り上がってきた。
「PENNリール、ゼロ環境な日本のフィールドで今、自分のプロ活動販促力が試される」
自分の気持ちが大きく動き出しました。
思い起こせば初めてオフショアゲームをした時に使ったスピニングリールはPENNスピンフィッシャー550SS。
スピニングリールの内部構造を学んだのもスピンフィッシャー。ナイロンラインからPEラインに移り変わる際に、日本製スピニングリールの足らない箇所を見つけられた、感じ取れたのもスピンフィッシャー。
全て私のオフショアゲームはPENNから始まった。
「PENNか…」。ステラと天秤を気持ちの中でかけてみる。友人にも問いた。
答えは、全員が即答で「ダメだよ、やめな、それだけは」と親身になってPENNへの気持ちを止めてくれる。しかし、プロ活動をしていて、自身の達成感や国内の釣具普及に大きな貢献をチャレンジ出来るのも、このタイミングしかない。
本当に悩み抜き、迷い続けて下した結論は「日本のフィールドへ、再びPENNを取り戻し広めたい」と決意が固まったのでした。
そのタイミングがピュアフィッシングへの移籍前期(理不尽な解約前を「前期」と私は呼んでいます)の動きになったのです。
スラマー3やトルクを広め、嬉しい事に乗合船でチラチラとスラマー3を使って下さるアングラーをみる様になった。
ロッドも何本か私のシリーズをリリースしてもらえたし、メタルジグも発表させてもらえた。
さあ、更にPENNを飛躍させるぞ、と言うタイミングでピュアフィッシング社内での色々が起こり何度も書いている理不尽解約へと繋がっていくのでした。
こうした思いがあったからこそ、理不尽解約には許せなかったし、ピュアフィッシング社を恨んだ時もあった。
解約され途方に暮れた時に、今だから言えるが立原さんからの陰の支えがあり、ちょうどコロナ禍とも重なったので、じっと我慢した。
こうしてピュアフィッシング問題前期から、再契約となった後期に繋がっていくのだが、私は後期になりどの様な動きをして良いのか、実のところ相当悩みました。
ピュアフィッシングからの再契約が行われ、先方の動きを見ながら最初は付き合っていた。あれだけ酷い事をされたから、そりゃ最初は石橋を叩いてしまいます。
どこまで信用して良いのか…どうなのだろう、と。
ただ、それを本気の信頼に変えたのが今回呼ばれた《フィッシングショー2024》。
一年に1度のおじさん達が目標としている《日本ベテランズ柔道大会》と日程が見事に重なったフィッシングショー。柔道試合を諦め、フィッシングショーにかけた思い。
釣りプロ活動者として、ピュアフィッシングを盛り上げよう、と決めショーに参加をしたのでした。
その思いが今回のフィッシングショー会場での私の行動になっていたのでした。
インスタでPENNのフォロワーを増やす。デジタルフォトサービスで楽しんでもらい、ハッシュタグを繋げていく。リールブースに立ち、実際にユーザー様へPENNリールの素晴らしさを伝えていく。ロッドを握ってもらい、その品質を体感してもらう。
私しか出来ない事も多いし、きっと誰よりもPENNリール製品を使っているからこそ、その魅力を伝えさせてもらいました。
フィッシングショー最終日、残り1時間。ホンネ疲れていました。ヘトヘトでした。
17時のホタルがなった後、全体終礼を経て片付けが始まった際に立原さんにひと事伝えました。
「本当に素晴らしいショー、会場を作って下さり、お疲れ様でした」と。
立原さんもその言葉に安堵の笑みを浮かべて喜んでいました。今回のフィッシングショー、私なりにやり切りました。
次は大阪、新潟、他と続きます。まずは横浜が成功となり、そして私の大きな蟠り(ワダカマリ)も晴れ、これまで以上にPENNリール製品を盛り上げていきたいと帰路に強く感じたのでした。
これまで書かなかった、ピュアフィッシングとの確執。この事はいつか時が過ぎたら自分なりの表現でお伝えしよう、と考えていました。
今回のショーが素晴らしかった、達成感があった事への原動力は、もしかしたらその確執への拘りが完全に吹っ切れたからかもしれません。
再来週は、大阪フィッシングショー。そちらでたくさんのアングラーにPENNリール製品の魅力を横浜以上に伝えていきたいと思っています。
「ミスターPENN。ミスター平松。」こう呼ばれるまでPENNリール後方に努めていきますね。
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