【ヒラマサを求めて、日本海丹後半島へ】冠島で狙い通りに手にした達成感。

つり

【ヒラマサを求めて、日本海丹後半島へ】冠島で狙い通りに手にした達成感。

冬の日本海は天候が難しく、出船率がよろしくない。私が大学時代から永井誠一師匠の後ろで日本海開拓時代から見てきており、その辺りはどのエリアよりも状況を把握しているつもり。

神奈川県からのリスクが相当大きいのもよくわかっています。今回の釣行が決まった時点で【6:4もしくは7:3】で出船は厳しいだろうな、と予想を立てていました。

よく言う「日頃の行いがよければ」程度の出船確率でタックルの準備も「運が良ければ、出られるだろうなぁ」程度での気持ちで準備していたのでした。

釣行日の一週間前から天気図とにらめっこ。近年は海況アプリもしっかりしてきており、毎日「観天望気」チェックしては予想を立てていました。

釣行日2日前、大きな天候変化が現れて来た。「沖に行けるかも…」良い方向の天候予測です。出船前日の午後から京都に向けて車を走らせるので、翌日の天候が良い方に向いたのはミラクルだったのでした。

新東名から新名神で京都に入る。途中、土山SA休憩時でiPhone LINEをチェックすると「先輩、明日は出船出来ます。ゆっくりの出船になります」とメッセージが入っていた。ワクワクして来た。

この時期の丹後半島は10kg超えるブリ狙いが場所(ポイント)によっては可能なエリア。大半のアングラーはお正月のブリを求めてフィールドに向かう。

ただ私は大ブリよりも【ヒラマサ】。誰がなんと言おうと、私はヒラマサ狙いなのです。もう頭の中でヒラマサ狙いの組立てでいっぱいだ。

ポイントも一発勝負の経ヶ岬ではなく、冠島で勝負したい、そう考えて京都に向かったのでした。

パタゴニア

翌日は9時過ぎに後輩の松波君が迎えに来てくれます。船の停泊位置は舞鶴エリア。京都縦貫道に乗れば、亀岡から1時間かからない。これも昔(私の学生時代)に比べて便利になっており、関西エリアからのフィールドアプローチも容易になったのです。

11時過ぎに出船。まだウネリが残っているから、と舞鶴湾口で最初は時間調整でサワラ狙いから。

今回は梅原船長(私から1年後輩)、松波君(1年後輩)、矢野君(2年後輩)、水無瀬先輩(2年先輩)、米山先輩(3年先輩)の6名で出船しました。皆、京都学園大柔道部の集まりです。

移動中もずっと柔道部ネタが止まりません。ただ皆さん私には釣りの質問が中心。あまり昔の柔道ネタよりも今日の釣りネタの方に興味がいっているのもわかります。

由良川河口を越えて舞鶴湾口に到着。水色は濁りが入っており、白濁している。それでもポイントに到着し、サワラ狙いから始まった。

私はロッドを出さず、先輩の釣りサポートから始めた。ぜひ釣ってもらいたいから、です。

みんなは今流行のプレードを装着し、サワラを探している。ただ鳥が飛んでいない。口にはしなかったのですが、あまりサワラの活性は良くないな、と状況判断が出来たのですが、サワラは食べて美味しいのでまずは最初にお土産確保とばかりにサワラを狙ったのでした。

少しずつウネリは落ち着いて来ている。時間は12時過ぎになった。まだウネリはあり、この先落ちてくると予想していましたが、梅原船長もその辺りは把握しており「平松先輩、沖に行きましょうか」と。

ならば私は「冠島に入ろうよ」と提案してみた。

根拠はあったが、そのタイミングでは話さず、青物のチャンスがあるから、という事で収まらないウネリを越えてゆっくりと冠島へと船首を向けたのでした。

途中から富山の「白山」が見え感動。私は実は初めて「だったと思う」丹後半島から白山をみた。それだけ空気が澄んでいるのだ、と。梅原船長も「白山が見えたら翌日は大時化ですよ」と言っていた。

大きく気圧配置が変わるのを船長は感じ取っていたのでしょうね。

冠島に到着。島の水道から流し始め、そこそこの流れがあったので、少し私もロッドを振る。中層までにいくつか反応が出ており、スマガツオが連発していたので表層から中層までを丁寧に探って来たら、サワラがヒット。

ブレードとか必要なく、しっかりとメタルジグで寄せて食わせられたので満足。ここで船長采配で「大グリ」狙いにポイント移動。

「大グリ」とは冠島の一級ポイント。起伏の激しい立ち上がった瀬狙い。ここはこれまでも何度も入っているがヒラマサが面白いポイントだと私も楽しみにしていた。

ド級ブリを一発勝負で狙うなら、経ヶ岬で粘るスタイルなのでしょうが、私は夕刻までのタイミングでヒラマサを狙いたかった。これが本心。

ここからは超集中する。

ボトムの様子をジグで確認していく。使用しているジグは【KEI-JIG S.cape 200g アワビモデル】。先にサワラをキャッチしたのは完全にアワビ効果だと感じていた。

天然素材の効果がここではっきりとしている。

これが頭にあったので「大グリ」でもそのまま【KEI-JIG S.cape 200g アワビモデル】で探ることにした。ボトムの潮が動いている。中層はそれほど潮の抵抗はない。

ベイトは中層に出ています、と教えてくれる。ってことは、ボトムから中層までの層で青物を狙うスタイルだな、と判断。

私の横では米山先輩がジグを操作していた。それほどピッチの速いアクションではない。どちらかといえば、ゆっくりと探っている。それを盗み見しながら私なりの展開をして行った。

米山先輩が良型の魚をヒット。やり取りをみて、学生時代の米山先輩の柔道は上手かったのですが釣りはどの程度の経験値かが判断できた。

私はロッドをポストに起き、先輩のファイトを見守りサポートに入る。なかなか上がってこない。ドラグが何度も出されている。その都度、少しドラグを締めてと梅原船長。

私は最初の柔道部寮部屋長だったので、そんな事は間違ってもいえない。そっと見守るだけ。どうにかこうにか、魚が上がって来た。良型のブリ(ワラサ)。先輩は大満足。

こんな笑顔、全日本学生選手権時にも見せたことがない。ド級の笑顔に、少しドキっとしたほど。

米山先輩は朝練時に起こす時、一番大変だった先輩。「先輩、お時間です」と1回生の私たち当番が4回生を起こすのだが、なかなか起きてくれない。

「三ツ矢サイダー買ってこい」と目覚めのジュースを買いに走っている時に、また寝てしまう先輩…。重量級でポイントゲッターだった米山先輩なだけに、実はプチ緊張をこの日もしていた。

その先輩がブリと必死にやり取りをしていて、当然アドバイスなど緊張してできるはずが無い。無事ブリが釣れてホッとし、再び私は釣りに集中する。

「平松、釣りは簡単やど」とブリキャッチに安堵して余裕な米山先輩が私にいう。どう返そうか…。

ボトム周辺を徹底的に狙っていた私。少し潮の変化が感じられ、その層を徹底的に探っていく。米山先輩が食わせた層は中層。ベイトが行き来する層に付いていた魚だと判断した。

ならば、ヒラマサはボトムだ、それもアクションにメリハリを付けて誘わなくてはならない、と。

再び米山先輩が「平松、釣りは簡単やど」と後ろから声を指す。

「よっしゃ」明らかに誘い続けて食わせた1尾。これ、ヒラマサじゃないか?と思ったのだが、ヒラのような暴れ方をしない。それでも先輩の言葉へ返すように「先輩、釣りは簡単…ですね…」と恐縮しながらふざけた言葉を発してみた。

魚が船べりで見えた瞬間「ヒラマサや」と。そしてヒラマサは船間際で強烈な走りをして暴れ出す。これこそ「ヒラマサ」だ。

興奮しながらネットを入れてくれた梅原船長。6kg無い程度のヒラマサであったが、私にとっては最高に嬉しい1尾。

「(平松)先輩、さすがですねぇっ」と梅原船長。私も最高に嬉しいし、船長はきっともっと嬉しいはず。

米山先輩も「平松、流石やなぁ」と言葉を変えて褒めてくださった。照れながら「仕事ですので…」と遠慮気味に対応する1回生の私。

これでヒラマサがやはり「大グリ」周辺に着いていたことで、次はブリを狙ってやろう、と狙い方を変えてみた。

米山先輩が掛けた1尾がヒントになり、中層の底潮がかろうじて影響している層で魚を探ってみた。まずはワンバイト。フッキングまではしなかったが、明らかに青物のバイトだったので、ここで梅原船長にカメラをお願いした。

「梅ちゃん、動画回して」と。

私はこのタイミングで魚を掛けることの自信があった。なんなら、ヒットする瞬間を撮影してもらいたかった。そして…。

見事に魚を食わせる事が出来、再び「(平松)先輩、さすがですねぇっ」を連発させた。

水無瀬先輩からも「平松プロ、やるなぁ」と言ってもらえ、自分の職業位置を先輩方に確認してもらえたのでした。

ヒラマサとブリの釣り分け。同じポイントでの、潮と層を読んで釣り分けられたことが今回最高によかったし、その狙い方に間違いがなかった証明でもあった。

これを口にしながら実釣し、結果を見せていく。これが私の職業。

本来なら、翌日の釣行準備をしてくれていた義弟とその友人にも現場で見せてあげたかったが、天候が予想通り冬型気圧配置となり、またの機会となったのでした。

午後から出れたワンチャンスのオフショアゲーム。このチャンスをガッツリ楽しむ事が出来、強烈な結果に結びつけられたのは嬉しかった。

次は3月下旬か4月頭。再び丹後半島で青物釣りを楽しみたいと思っています。

京都学園大学(現、京都先端科学大)柔道部OBの皆さん、ありがとうございました。

パタゴニア

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