【公立中学校体育指導】柔道の外部指導員で今期も生徒から学ぶ。
2年前に柔道指導員Bライセンスを取得し、柔道指導者として勉強を続けている小生。これは柔道への【感謝】する気持ちの恩返しとして数年前の大病から復帰させて下さった「柔道で得た体力や忍耐力」を痛切してからの事。
大病を機に、全柔連(全日本柔道連盟)に従うカリキュラムに沿ってCライセンス、2年後にBライセンスと取得してきた。
Cライセンスを取得した時から吉原道場の師範より近隣地区の公立中学校への外部柔道指導員として働きかけられ、お邪魔する様になったのだ。
今年で4期目。
それ以前(指導者ライセンスなし)まではあくまでも吉原先生のサポートとしての指導補佐だったが、ひとりで授業を持つ様になり、学年による柔道指導内容や寒い季節の柔道なだけに柔軟体操などの補強運動、身体を温めるアップなどを意識して取り入れる様に心掛けてきた。
今日で今期の授業コマ数を全て追え、いくつか来期に向けて学ばなくてはならない事や、伝え切れていなかった部分の纏めをしていた。
小生がお邪魔している公立中学校の柔道授業は今まで全て冬季。生徒の体温管理をして「ケガ」の起らない柔道授業を組まなくてはならない事が頭を悩ませた。
柔軟体操を熱心に行なっても生徒の気持ちはこちらになかなか向かないだろう。かといって、過剰な運動は生徒全員にさせられないことは当然で、小生の柔道授業は「笑顔で楽しく、集中出来る柔道時間」をモットーに取り組んで来たのだ。
町道場は柔道を習いたい、学びたいという意欲を持った生徒が集まる場所。しかし、公立中学の体育授業の一環での「柔道」をする時間。この環境下でどのように「楽しく、集中させるか」をいくつかの手段を取り入れて行なってみた。
柔道の基本となる「礼法」そして「受け身」この動作の取得は当然中学生の必需項目であり、テストにも関係する。しかし、テストの為の「受け身」では生徒は興味を示してくれない。(前年期、痛感して来た)
畳に転がり、寒い冬にバン!バン!と畳を叩く行動は正直小生も手が痛いし、つらくて寒い。小生が指導に通った公立中学は「武道場」という恵まれた場所がなく、体育館で畳を生徒全員が敷き、そして柔道授業を行なうので1限目はまるで冷蔵庫の様に冷えきっている体育館での授業。
柔道衣の下には体育シャツを着用させ、保温効果を保たせたが、靴下は履かせないので準備運動の後に反射運動や遊びを取り入れたアップを心がけて来た。
柔道実技は一年生は礼法と受け身を取得させたら寝技のカタチ作り、二年生は立ち技を転がしてからの押さえ込み、三年生は相手に技を掛ける駆け引き(乱取りに近い)や寝技での戦いなどを到着点として小生なりに取り組んで来たつもりだ。
一昨年、嬉しい事があった。
体育の授業で柔道を体験し、もっと本格的に柔道を習いたい。そういって小生がお世話になっている道場の門を叩いてくれた生徒がふたりも居た。
更にそのひとりは今年の新人戦で神奈川県央地区で3位になり、県大会まであと一歩の所まで努力してくれたのだ。
無気力でひとの話しも聞かない生徒(先生が言うには)であったが、この1年で生活態度、授業に取り組む姿勢がめまぐるしく良くなり、体育教師全員(小生が知っている体育教師は3人ですが)に喜んでいただいた。
今年もその生徒は柔道の時間だからと張り切って声を出し、小生のお手伝いをたくさんしてくれ、小生自体が一番驚いた程であったのだ。
そんな嬉しいこともあり、こうして外部指導員として公立中学の体育時間に携わる事が出来た。
これが良かったかどうかはわからないが、前期より今期は更に10コマ増やされての依頼であり、こうして全てが終わった今日、少し寂しく、そして少しの達成感があり、そしてたくさんの来期への希望へと繋がった。
今年も何人かはきっと道場に来てくれそうだと感じており、来期の柔道授業へ向けての「柔道ノート」はびっしりと書き残してあるのでそれを読んで思い出しながら身体がひとまわり大きくなった生徒達と会える事を楽しみにしたい。
全ての柔道指導時間が終了した時に、体育の先生が体育館に来て下さり、お礼を言って頂いた。
しかし「お礼を言いたいのは私です。こうして指導の勉強をさせて頂ける環境を与えて下さったのは先生方です。本当にありがとうございました。」
こんな言葉を最後に、笑顔で公立中学校の門を後にしました。
今、授業が終えて何時間も経っていますが、まだ畳を叩いた腕はジンジンとしています。寒い体育館で冷えた畳を一生懸命叩く生徒のことを思い出しながら、このジンジンする手の平を見て【感謝】しています。
途中で逃げ出す生徒、嫌な顔をする生徒、全てを放棄してしまう生徒…前期に続き、今期小生の柔道授業で誰ひとり居なかった事が小生の宝です。