中京高校(現中京大中京)思い出の柔道部道場を訪問。

よもやま話

私の母校、中京高校(現在は中京大中京)へ恩師を訪ねてご挨拶に行かせてもらった。

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高校生だった時は、男子校。でも今や、野球とスケートが有名なエリート高校。

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           「学術とスポーツの真剣味の殿堂たれ」

各運動部は、とにかく「インターハイ出場」が当たり前で、インターハイに出場していない運動部員は肩身の狭い思いをしたほどだ。
今はあるかどうか、わからないけど、自転車部や相撲部なんかも強かったし、陸上部や水泳部、サッカー部も常に全国上位校だった。応援部は、僕らの代で廃部になってしまったけど。
もちろん、「甲子園」での中京の活躍ぶりは、有名過ぎて…。自分たちの代も甲子園に出場し、確かベスト8だったはず。
甲子園まで校内からの応援バスで2回行った思い出がある。

中京の門を抜け、事務室へと。野井先生にご挨拶。野井先生、お元気そうでした。でも、超☆緊張!背筋が張った。
私は、大学を卒業してから母校へは全く顔を出しておらず、約28年ぶりの柔道場が見たく先生に案内して頂いた。

その前に、中京高の「栄光室」へと。

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もちろん、初めて入った。いや、厳密にいうと、現役時代に一度入った気がする。でも、当時の建物ではなく、別部屋で今は優勝旗などを保管している、とのこと。

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栄光室に入ると、物凄い数の優勝旗。楯。トロフィー。賞状…。
「学術とスポーツの真剣味の殿堂たれ」さすがだ…。圧感

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物凄い数が映っているが、まだ貸し出しのものも多く、これが全てではないそうです。

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野井先生は、色々と説明して下さった。食堂もトレーニングジムも、どれも大学並みのきれいさ。
母校なのに、キョロキョロしてしまう…。

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さあ、柔道場へ。

柔道場以外の設備は、全て近代化されており、素晴らしい環境でトレーニングが出来る様になっていたが、なぜか柔道場だけはそのままの姿で残っていた。実は、それがとっても嬉しくて。

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道場に入ると、当時の思い出が蘇る。

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怖かった先輩の柔道着の準備、包帯、さらし、を昼休みに巻き、4時からの稽古前に先輩の道衣をロッカーへたたんで入れておく。
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(私のロッカー)
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(鳥居先輩の名前も)
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(私の担当だった、春山君。大相撲に行ったはず)

練習前の準備がいい加減だと、一級上の先輩から、練習後は「セイレツ」という儀式で強烈な説教(これ以上は書けない)があった。
練習が終わり、一級上の先輩がピリピリとしている。一年生の私達は、ウエイト器具の片付けや洗濯に追われ…。
そんな時「今日、セイレツがある…」と耳打ちされると、生きた心地がしなかった。
道場のガラスを全て閉め、見張りを付け、「セイレツ」が始まる。隣の剣道部にも「今日、柔道部がセイレツだから」ということを知らせており、道場内は、「シーン」としている。

         「「「一年、セイレツ!!!!!」」」

神前に向かい、一列に正座をして目を閉じ、背筋を伸ばす。二年生の先輩は、竹刀を解いた、竹やバット、ほうき、帯、などを持っている。(僕らの時代がそうだったから、きっと一緒)
畳を強く叩き、威嚇され緊張。そこから、出来の悪い同級生の悲鳴が…。

40分?いや、1時間?それ以上?  終わった時の安堵と言ったら…。ここ「セイレツ」が3年生の先輩が引退するまでは月1位のペース、引退されてからも、あったはず。
「セイレツ」があった翌日の練習は、とにかく声が出て、動きが機敏で、全てに必死であった(笑
これも、2年生になってから、良く見える様になり、今思えば、面白い位…。

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(私の代、私は副主将でした)
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(ひとつ下の代…)

…そんな「セイレツ」の話を野井先生にすると、「そんなもん、全部知っとったわ!」と(笑)

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「俺が(セイレツ)をやめさせようとして、セイレツ禁止!って言って、生徒を帰したのを見届けて俺も車に乗ったんだよ。そしたら生徒らは、『30分後に道場に集合!』だもん。生徒の方が、賢いよ。全く!」と面白おかしく当時の話を先生側の意見で教えて下さった。
また、各学年の名札をひとつずつ見ながら、「こいつは今、〜で柔道指導しとる。」「こいつらの代は相模に負けた!」などなど、歴史を面白く教えて下さった。名札にチョークで白○、白△の記しがあり、「先生、この印は何でしょうか?」と聞くと、「○が全国出場、△が東海大会だよ」と言って、「見てみろ、お前は△三角だろ!」と怒られてしまい…(笑

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そんな「セイレツ」から始まり、道場の先輩の話などもたくさんして下さった、野井先生との時間でした。

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先生にお礼を言い、道場を出る時に深くお辞儀をして懐かしい母校の道場を後にした。

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「この道場で学んだことが、今、活かされているかな〜」ふと、中京を背にした時に思ってしまった。
今の時代、「セイレツ」の様な体罰はいけないにしろ、高校生という時期の上下関係の厳しさやしつけ、といったものが薄れてしまっているのでは…。社会に出て、上司から好かれる様な気持ちのよい若者って、存在するのかなっ。と。
自身の時代と置き換えてはいけないけど、人生における、社会への厳しさの乗り切ろうとする根性は、私はここで身につけられた。これが一番の財産だと今、強く言える。
柔道だけ強くても、礼儀が出来なければ、絶対に駄目だ!礼儀あっての柔道、いやスポーツだ、といった部分が現在は非常に煙たく思われている。
自身の指導意識もさることながら、こういった当時の芯の強さ、を暴力なしで身につけられる指導が出来ればなっと思っている。

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自慢の母校、中京大中京に、感謝。

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