柔道指導者の勉強。【生涯柔道】は競技だけでなく、精神も磨かねば。

よもやま話

名古屋の古巣【妹尾道場】へ
三重県で全国小学生柔道大会が行われ、吉原道場の生徒が出場するので、応援がてら、名古屋で途中下車。
小生の出身道場である愛知県の老舗道場「妹尾道場」に顔を出して小学生の練習を指導してきました。
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最近、妹尾道場だけでなく、神奈川県でも色々な道場にお邪魔しては、小学生の指導を勉強させてもらっている。
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小学生の指導って本当に難しいし、小生、いくつかの課題を常に持って、小学生と取り組む様にしているのだが、やっぱり実戦で取り組まないと、より良い指導は出来ないのだ。これらの勉強、指導練習が出身道場の妹尾道場でやらせて頂いている。
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まず、全体が「つまらなくなっていないか」を注意し、「生徒の目がランランとしているか」「目線を合わせて話せられるか」「意欲的な雰囲気作りと、集中力を持続させられるか」といった部分。
もちろん、水分補給のタイミングや、怪我などには最大の注意を計っているのだが、道場に来ている生徒が、いかに「楽しく、必死に柔道をしたくなるか」というところを一番重要視。
生徒のレベルに合わせて、反復をさせながら、少し興味を持たせる内容を入れた、普段やらない稽古、そして常に興味を引きつけられる指導説明も勉強している。
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なぜ、ここまで小学生の指導を小生が勉強しているのか。

実は、ある父兄から「指導力がない。」と数年前に言われ、その父兄と話しの流れで口論になった。「うちの子供には、教えない」とか「あの子だけを教えている」「うちの子供に強い相手ばかり当てる」や「もっとたくさん技を教えてくれ」などなど、めちゃくちゃなことを言われたのだ。
その父兄は柔道経験は全くなく、柔道の技はYouTubeで学んでいる、とまで言われた。本気で悔しかった。

本気でそのお子さんの指導を丁寧にしてきたつもりであったのだが、「元オリンピック選手の〜道場の先生の技はこうだ、ああだ」などとも言われ、指導する側としては、もう怒りも限界になった。

それを横で全て聞いていた代表も「あの方は、ある意味、息子の指導者ですからねぇ。平松さん、その子だけは、教えなくても良いですよ」とまで言われたのだ。

これには、悔しさを越えて、虚しさ、憤りしかなかった。哀しかった。

その子を含めて、全体が盛り上がり、上位を目指せる環境を作り上げたかった。でも、ワンマンな父兄が毎回の稽古で誰にでも攻撃的な言葉を発して、雰囲気を悪くしているのだ。

だから小生の指導力がないならば、徹底して「勉強してやろう」そう思い、まずは柔道指導員Cライセンスを取得し、スポーツ少年団指導員、文科省日体協スポーツ指導資格、と取得した。

ゼロからの勉強であったので、正直「ここまで頑張らなくても」と思ったことも何度もあった。しかし、指導者の居ない、もしくは少ない道場で稽古をしている小学生、そしてそこを信じて子供を預けているご父兄さんのことを考えたら、申し訳なく思ってしまい、この努力をいつか生徒に与えてあげたい、という気持ちひとつでやってきた。

今年11月には、柔道指導員Bライセンスも受講させてもらう。子供達が、ひとりでも安全に、そして楽しく柔道が続けられる様に。
ひとりでも中学、高校、大学、社会人まで柔道が好きでいてくれ、続けてくれる様な指導をしたい、それが柔道への恩返しだと思い、努力を苦と思わない日々を過ごしている

先日、とある試合場で口論となった父兄と出くわした。頭を下げたのだが、知らんふりをされ「それは大人だから、仕方が無い」と心に言い聞かせた。
しかし、その息子さんが道場内でキャップをかぶっていたので、「帽子は道場内ではとろうなっ」と指導した姿をその父兄が見ていて、物凄い血相で睨まれてしまった。
その子は県でも柔道の強さで言えば、常に上位にいる生徒さん。でも、強いだけでなく、柔道の本質を今だにきちんと伝えられていないんだなぁ、と寂しく思ったのであった。

小学生の柔道指導は、時として、父兄のチカラを借りての場面も多い。しかし、間違った方向の父兄への対応も、ただ背を向けるのではなく、柔道心に沿った説明や対話も大切だと感じている。

まだまだ「生涯柔道」を続けるにあたり、勉学が足りない小生。常に勉強あるのみ、と心に置いて柔道を続けて行きたい。
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妹尾道場で小学生を指導している際、「ここで柔道をスタート出来て本当に良かった。小生は、恵まれていたんだなっ」とつくづく感じながらの柔道時間でありました。

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