実食‼️【山わさび】北海道の味をいかに旨く頂くか。フィッツロイ登頂するよ。
パシフィコ横浜で開催された『ジャパンフィッシングショー2018』時に北海道積丹半島でお世話になった魚鬼(いとう)船長からお土産として手渡されたのが『山わさび』。
小さな瓶に入ったご当地ものであるが、これを船長奥様から渡され「いつも《いいぶさ日記》読んでますよ。調理ネタも多いから、これでひとつ書いて下さいね」と《いいぶさ日記》ネタのリクエストがあり、フィッシングショーが終わった後の晩ご飯時にさっそく頂く事にしたのだ。
船長曰く「まずは白ごはんにたっぷり乗せて食べてみて」ということで真っ当することにした。
宮崎の釣り師が丹誠込めて作った炊きたてのお米を茶碗に盛り、準備完了。
小さな瓶に入った「山わさび」をお箸で掬う様に取り、熱々の白米にそっと乗せ、山わさびを落とさない様に白米ごと口に運ぶ。その瞬時を女房、次男は興味津々で見つめている。
口に運ぶ。嗅覚はこの時はお休み。口の中の「味覚」だけに集中する。暖かい湯気が口いっぱいに広がり、そしてモグモグと噛み合わせる様にしながら舌で味を確認する。
「おぉっぉぉぉぉ〜」喉を思いっきり開く動作をしないと無理。
喉までこの「山わさび」様を送り込んで良いものなのか。鼻に強烈なパンチをもらった状態になる。
耳が鳴く。キーン、と鳴く。そのまま目をギュッと瞑り、出来る限り湯気を喉に入れない様に息を出しながら舌で感じた状況を脳が必死に確認している。
「これっ、強烈っ!」暖かい出来たて炊きたてホヤホヤの白米に「山わさび」の強烈なわさび刺激が増し、一撃にされたのだ。
「これか…船長がまずは白米でと言った意味は。」最初に失敗したのは「山わさび」の量だ。
富士山の上に、さらにフィッツロイでも付けたかの様な盛りつけを「パクリ」とひと口でやってしまった事がそもそも大きな間違いであったのだ。
気を取り直し、お茶で口内の環境を整え直して再度「山わさび」を白米に乗せる。しかし「フィッツロイ」の様な山の上に山は盛らない様にして優しく頂いてみる。
「おっ!美味い」わさびの味が的確に伝わり、間違いの無い暴力的に感じない丁寧なわさびの味がする。
「これかぁ…」。船長からの言葉通りにやってみて、とりあえず洗礼を受け、その後に調整し直した量で適量を見つけ出し、美味しさを十二分に噛み締めたのであった。
さあ、次はどの様に食べようか。
「山わさび」を使って食べよう、と魚焼きグリルにて豚肉を焼いておいたので、それを「山わさび」の引き立て役に抜粋する。
お肉は塩コショウを少し振りかけた程度の薄味で作っておいた。焼き加減、ヨシ!味加減、ヨシ!もう後戻り出来ない。
ここまで完璧な準備が出来たのだ。後は成功を祈るばかりだ…。とまるで競技者の試合前の様な感覚になる。
気持ちを作り上げ「いざ実食」。
丁寧に「山わさび」をお肉に乗せる。
お肉は業務スーパーで安く販売されている、庶民が愛する価格帯のお肉だ。焼き上がってすぐの暖かいお肉に「山わさび」を乗せ、口に運ぶ。そして奥歯でギュッと肉を噛み締める。
口内に肉汁が染み渡る。舌がうひょうひょ、と喜ぶ。その肉汁と絡み合う様に「山わさび」はそれまでの攻撃的な味とは考えられない程マッチして小生の「脳」に「最高やぁ〜!」と電波を発して来たのだ。
美味いものを脳に電達するスピードは速い。
これほど味のギャップがあるのだろうか、そう思う。
先にフィッツロイでやられて味覚がおかしくなってしまったのだろうか。辛さ、痛さ、刺激、香り、そういった全ての表現を熱い白米でやった時に失ってしまったのか、と思ってしまうほど。
女房はじっと見ている。次男は他のおかずを食べながら欲を満たしている。
「美味し過ぎだ…」再度その言葉を口にする。
続いて女房も恐る恐る同じ行動をとって、お肉と山わさびのセットを口に運ぶ。「最高!美味しい!」これほど肉の脂や肉汁と合うものは無いのでは…そうふたりの一致した意見、感想だ。
小5の次男にはたぶん無理だろうが、とても上品な大人の味に変えてしまう「山わさび」パワー。
安い肉でも高い肉でも薄い肉でも厚い肉でも、どうやら全てにおいて同じセッションで対応してくれるだろうと予想がつく代物。お肉に乗せて頂くスタイルが止らない。
ただ、どうしても熱々の白米時とお肉の時とのわさび刺激が違う様に感じ、再度白米に乗せて食べてみる。
「おぉっぉぉぉぉ〜」喉を思いっきり開く動作をしないと無理な状態は同じであった。
味噌の風味などなかなか伝わらなく、ただひたすら喉の奥を大きく開き、喉チンコを乾燥させる様な動作が必要なくらいの刺激であったのだ。
我が家はお肉でのお伴として常備する様なルールとなった「山わさび」。次の北海道仕事時は帰りにいくつか購入してこようと考えている。魚鬼(いとう)船長、奥様、本当にありがとうございました。