【紙の価値ってどうなるのだろう…】便利なnet社会に向かう先は。
インターネットを通じて毎日に近い平松慶のログをこうして『いいぶさ日記』から配信している小生。
調べごとも毎日の事情も天気もスポーツの結果も仕事管理も何でもかんでもnetを通じて確認する事の出来る非常に便利になった御時世。
小生、ある方のメルマガ購読を登録受信しており、1週間でほぼ毎日に近い決まって朝の配信を楽しく読ませて頂いている。
勝間和代さんのメルマガ配信であるが、先日配信された内容で『小生もふむ。ふむふむ。はい。うん。』そんな内容のモノがあったので気に留めていた。
【「とにかくマーケットが縮小し続けていて、厳しいから」2006年に雑誌やコミック、新書や文芸、実用書などを合わせた紙の出版物の売上高の推計は年間2.5兆円でした。
それがすでに2016年には1.7兆円に下がり、今年はなんと、1.4兆円の見通しです。たった11年で、半分近くまで縮んでしまった、ということです。
漫画や雑誌は二桁の落ち込みです。】
※勝間和代さんメルマガ内容を抜粋
こんな事が書かれておりました。確かにそうだよな…。
旅が多い小生。バス、電車、飛行機、船。移動手段は様々だが必ずや持参しているのは文庫本であり、読んでも読まなくても身近に文庫本が無いと不安になる。
病院の検査待ちや、トイレ、寝る前、とどんな場面にも文庫本を持参し、活字に目を通すのが日常的な行動となっているのだ。
実は今病院で検査待ちにこの『いいぶさ日記』をiPhoneのアプリEvernoteに書いている。ただ、病院内の放射線棟は通信環境が無いのもわかっており、機内モードに切り替えて、だ。
片手には文庫本。片手にはiPhoneと言うスタイル。
『書きたいなっ』と感じた時に文章を作らないと小生の『いいぶさ日記』の口実目標である「1日1本以上の更新」も出来ない。だから文庫本を置いてでも通信環境が無い状態だって文章を作る様にしているのだ。
さて、勝間和代さんのメルマガ配信内容もそうであったが、先日大阪でお食事した岳洋社松井謙二社長も出版業界のこの先をかなり懸念されていた。
松井社長はそれこそマトモに現状の打撃を受け苦しまれていた。
『便利さとスピードが最優先され紙を開くゆとりが苦痛、無駄、邪魔、不要となり文庫本ひとつ持ち歩かなくなった時代に哀しいよ』と余市ウヰスキーのグラスを眺めながら言った言葉が重く脳裏に残っている。
松井社長の雑誌にも連載をしていたので毎月送られて来ていた原稿依頼の内容文と原稿用紙、それにポジフィルム。
それがいつしかメールアドレスを登録しそこへ連載内容、wordの書式、画像データの送信方法などが無機質に飛び込んできて従う様に文章を作り、画像を処理して入稿した。岳洋社だけでなく、どの出版社も新聞社もだ。
こうしていつしか『デジタルでしか文章を作る事が出来なくなった』小生。
漢字ひとつもなかなか思い出せず、iPhoneでの変換を頼ってしまうほど。こうした日常の生活で気付かないウチに紙から離れ、書く事への行為からも遠くなっているこの時代だからこそ文庫本を常に持ち歩き、紙から離れたくないと信念を持ち続けている。
文庫本を読んでいると頭の中でたくさんの状況をイメージ出来る。空想だけにならず、次に繋がる文章で空想から鮮明になる。
だから映像での作品よりも先に紙で読む作品の方がリアルで面白いのだ。
《文字を書く様な習慣を付ける。活字を身体に染み込ませる。思い出させる。》
紙に文字を書く事から離れた現状から何か良い案はないかと考え、次男と『柔道ノート』を始めた。「柔道」を通じた手書き文章のやり取りだ。わかりやすく言えば交換日記をし始めたのだ。
次男に「これも勉強」だ!と言いながら実は自身の国語力再確認の想いも込めてだ。
実際にやってみてあまりにも漢字が出てこない(書けない)自分に恥じた。30代、手書き原稿で入稿していた際は必ず原稿用紙の左横には漢和辞典が置いてあり、牽引した漢字は赤でなぞって印を付けていた。
二度、三度と同じ漢字を牽引したら思い出しいつしか書けるようになっていた。それが自信となり、結構漢字は書けた方だと思っていたが、今の不能に愕然としてしまった。
書く。読む。想像する。知る。思う。感じる。描く。表現する。
いくつもの当たり前な事が出来なくなっている理由をインターネットの所為にはしたくないが、しかし『ペンを握る。書く。』行為の重さを強く感じる最近なのである。