【苫小牧‼️元祖カレーラーメン】はるかなる大地で食する喜び。

グルメ

【苫小牧‼️元祖カレーラーメン】はるかなる大地で食する喜び。


「もしかして、初めてですか?」スポンサーと小売店様への同行営業中に言われた。
小生、このところの北海道通いには節度なく通い続け、西に行けば食べ歩き、左に行くも食べ歩き。東で食べて右でも食べる。
毎時3食を実に有意義に楽しませてもらい、食べ比べては喜んでいるのである。それでもまだまだ食していないご当地グルメはいくらでもあり、そんな中のひとつに『カレーラーメン』たる代物があったのだ。

カレーラーメンを食べさせてくれるお店は道内にいくらでもある。しかし「ここは美味いぞ」と唸らせラーメン鉢の前で黙らせるお店はそう数はないようで、見事に黙らせるお店をご紹介しますよ、とスポンサー広報が言うものだからついニヤニヤ、そしてワクワクを出来る限り表現しないように連れていかれる店までムッツリを決め込んでみたのである。

しかし、だ。
カレーラーメンだなんて何とも簡単な表現であり、そば屋で食べるカレーうどん程度なのだろうと高を括る小生。
「美味いカレーうどんのラーメンバージョンだろうなっ」正直そう決め込んでいたのだ。

教養がないとは寂しいもので、そう決め込むと舌から脳に伝わる味が、あの鰹出汁しょう油にカレールーを混ぜ合わせた「うどん」が口の中を占領する。
七味をかけて辛さを和に仕向け、和風カレーうどんの味が口の中に出来上がる。ピチッと跳ね飛ぶカレールーを気にしながらうどんをズルッズル音を立てて啜り、交互に白米を口に運び冷たい水で流し込む姿まで想像出来てしまっている。
もう車中道中脳裏にはそのズルズルと啜りながらモグモグして食べている小生がいたのであった。

《味の大王 総本店》

「ここだ、ここ。到着です」スポンサー広報さんが真っ直ぐに伸びた道路脇にある店舗駐車場へと車を入れる。
お昼時だからだろうか、車の台数は多くどうやら賑わっているのだな、とみて取れるのだ。

湯流されるようにお店へと向かう。
本当にカレーラーメンを食べようか、それとも直前で間違いのない所謂一般的な「醤油ラーメン」に鞍替えろうかとも脳裏に過る。
「いらっしゃいませ!」が店内で連呼されていく。厨房からも聞こえる。配膳の多さとテーブルで既に食べている客の多さに更に驚く。

「はい、食券を購入して奥のテーブルへ!」言われるがまま、食券機にてメニューを選ぶ。
初めて入るお店で、いきなり食券を購入するのはゆっくりメニューを見て選べないツラさがもどかしい。しかし次から次へと「いらっしゃいませ」が連呼されお客さんが入ってくる。食券機を前にしてグズグズしてはいられない。

もう「醤油ラーメン」の事は忘れており、店内に漂うスパイシーな香辛料の香りに気持ちとお腹は「カレーラーメンを食べるんだ」と欲が制覇されていた。
食券機で購入したのは予定通り「カレーラーメン」。テーブルに着き、やっと落ち着いてそこに置かれたメニュー表に目をやる。

このメニュー表は「次ご来店してくれたら、これも頼んでね」という店からのメッセージなのだろうか。もう少しゆっくりメニューをえらびたかったな、と再度思ってしまった。
しかし隣のテーブル、後ろのテーブル、食べ終えて爪楊枝をシーシーやってるテーブル、皆どうやら「カレーラーメン」な様子にしか見えてこないのだ。

声の大きなおばさんが小生の注文したそれを運んできた。ドン、とテーブルに置かれた大鉢には「元祖‼️カレーラーメン」。
ドロッとした雰囲気がワクッとした。それと同時にスパイシーな香辛料の香りがニヤッとさせる。モヤシとワカメとネギがモリッと盛られ、一枚の焼豚がペラッと添えられていた。

割り箸を麺にズボッと入れ麺を持ち上げる。黄いない縮れた麺が割り箸に絡みながらズレる事なく口元まで付いてくる。
「いただきます」麺を口に運ぶ。
プリップリな嫌味のない少し硬さが残る麺に絡みながらカレー味が一瞬にして口内を支配する。黄いない縮れた麺の素朴な粉味に対し、インパクトのある独特で日常食べるカレーライスのそれとは二味も三味も違い、深く多彩な香辛料がたまらなく豊かに感じる。

しかし、醤油ラーメンをベースにその上へカレールーを載せたような感はこれっぽっちもなく、麺が浸かる底までカレー味のそれがしっかりと張り切っているのだ。

しっかりしたいくつもの香辛料が混ざり合いただドロドロと小麦粉で練ったようではなく上質な片栗粉に昆布だろうか、おダシとカレールーが合致してあんかけベースの中に見事なカレー味を付けたイメージがわかりやすいのだろうか。トロみが上品に感じる。
それからは無心に箸を動かし、麺を口に運ぶ。時々額から流れ落ちる汗をテーブルに置かれたティッシュで拭き、そして大鉢に入るスープを両手で鉢を抱えて啜る。
茹でたモヤシをカレールーにヒタヒタと味を絡め、ワカメにもカレールーを混ぜ合わせて口に運ぶ。まだカレー味が足らないと感じ、大きな鉢を両手で持ってルーを口に流し込む。

あっという間に麺は鉢の中から無くなり、残りのルーに白米を入れたい衝動に駆られた。旨みがたくさん込められていた衝撃なラーメンであった。
完食した『元祖‼️カレーラーメン』。独立した食べ物だ。

完全にそば屋で出されるカレーうどんとは違う。冷えた水を飲んでもカレールーの旨味が口内にうっすらと残り、いつまでも幸せな気分でいられるのだ。
『ご馳走さまでした』これほどインパクトのあるラーメンは初めて食べ、これほど「もう一度食べたい」と感じた味はこれまでにない。
食べながら美味いだの、辛いだの、甘いだの、温いだの、をひと言も発しず、ただひたすらに止まらぬ箸と鉢から流し込むラーメンスープに制覇されてしまったのであった。

これこそ当に店内の様子が映し出され、たくさんの方が好んでいる証拠だと実感した。ああ、なんたる忘れられない味なのだ。この味には惚れ込んでしまった小生。

『文壇用語のひとつに【食物と女が書けたら一人前だ】という言葉があって、誰がいいだしたことかわからないけれど、じつに名言だと思わせられるのである。』《最後の晩餐》 開高 健著

こう書かれている面を思い出したが、小生は作家でもなければ、食レポ著者でもない。ただ、あまりの衝撃ある豊かな味をどのように表現したいかは「美味い」「最高」等の簡単な言葉だけでは表現したくない程ご贔屓したくなる味であったのだけは伝わったのではないだろうか。

店を出て、小生の顔をみて『どうだ!参ったか‼️』と言わぬばかり『ニヤリ』としたスポンサー広報さんの勝ち誇った顔。

次の北海道巡業は間違いなく再び食べに行く、と断言したい。
http://curryramen.com/

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