【タイ王国・アユタカ】ソンクラーン(水かけ祭り)像も子供も水びたし。ただ心は。

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【タイ王国・アユタカ】ソンクラーン(水かけ祭り)は像も子供も水びたし。ただ心は。

スワンナプーム国際空港に到着すると、まだ新空港となったばかりで華やかな雰囲気と共に、未完成な部分も見え隠れしていたのが印象であった。

バンコクは何度か訪れているが、空港が新しくなってからは初めてであり、入国管理までのアクセスに戸惑った。

それでもひとの流れと語学力の無い私なりに案内看板を頼りに手荷物預けまでを受け取り、どうにか空港外に出る事が出来た。
冷蔵庫の様に冷えた空港内から一歩外に出ると、あの東南アジア独特な匂いとケタタマシく鳴り響くクラクションの音、バイクのエンジン音、そういった騒音が固まって耳ンい突き刺さってくる。
物凄い量の汗が額から溢れ流れるのがわかる。

そこで現地スタッフと合流する。
この週はソンクラーン(水かけ祭り)でタイの旧正月を祝う時期であり、各国からも観光者が多いのだとすぐにわかった。

ソンクラーン(水かけ祭り)が目的ではないのだが、見学はしたかった。

空港を出てタウン街に入れば、トラックに乗り、ドラムを叩きながらバケツにホース、水鉄砲と容赦なく歩く人々に向けてかけてくる。ニコンの一眼レフが心配だったのでカメラバッグに仕舞っておいたのだが、ふだん見慣れない様子をショットで納めたくなるのが心情。

水を掛ける側はそんな様子に喜んでド派手に水をかけて来て、掛けられる我々は慌ててカメラに気を使う。そんなやり取りが、街毎にあったのだ。

バンコクから車で5時間。どんどん田舎エリアに入っていくのだが、大きな交差点に差し掛かると、小さな飲食店やマーケット、ガソリンスタンドが密集し、集落として成り立っている。

5時間走り続けて来たのでさすがに身体も伸ばしたい。トイレにもいきたい。冷えたものを落ち着いて飲みたい。そんな心境であった。

態度のデカい現地ディレクターとカメラマンにも「休憩しましょう」ということを通訳に伝え、軽食をとることになったのだ。正直ホッとした。

やっと高速道路と一般道路の走行から少しだけだが解放される。高速道路は常に180kmのスピードメーターを振り切っており、車を飛ばしまくる。一般道に降りれば、悪路が続き、コンクリートが轍をうみ、そこに車輪が挟まれる様になるので、どすんどすん、と常に車は波を打つ。

腰、背中、首が痛くてたまらない。それでも出せるスピードの最大で動こうとするので、衝撃は半端ないのだ。

今回は現地釣りメーカーのプロモーション撮影ということで、人里離れたエリアで釣りをするシーンの撮影であった。だからどんどん山を越え、街を越えて果てしなく走るのだ。

どこまで行ったのか、今どこに来ているのか、を訪ねても地図を広げて指をおく程度。目的地までを尺取り虫の様に指で指し、まだまだなのだなっと項垂れる。一般道を走行していてひとりが中を確認しにいく。車に戻って来てランチのお店が決まった様だ。降りろ!と指示が出た。

私は冷えたコーラだけで良かったのだが、ディレクターやカメラマンはもっとしっかりした食事でも食べたかったのだろうか…。低い平屋建ての店舗へと導いてくれたので中に入る事となった。

晴れた空、時間は15時を過ぎた頃。太陽光は15時とは言えほぼ真上の位置であり、その店舗内に入った瞬間、目がかすむ様に真っ暗となって一瞬回りの様子が理解出来なかったのだ。

ただ恐ろしい位にエアコンは効いており、汗ばんだシャツの中で全身が冷やっとする。目が慣れてくると下品なミラーボールがオレンジ色や紫色、黄色に赤を鏡張りのだだっ広い部屋で鈍く照らしている。

ここで軽食か。明らかにおかしい雰囲気だ。それでもボーイの様な若者が伝えてもいない瓶コーラを運んで来た。

ストローだけが無造作に瓶コーラに挿されており、それを黙って口にする。『なんだか、怪しいぞ…』本気でそう感じた。しかしもう、事は動いている。

態度のデカいディレクターとカメラマン、であろうオトコは完全に我々の制作費を利用して女遊びをしようとしている。それがトイレに行った際に女性がひな壇で座り、じっとこちらを見ているのが分かったからだ。

更にそこは成人女性だけではなく、小学生や中学生位の『男子(だんし)と女子(じょし)』買春場所であったのだ。なぜそれがわかったのか。それは店のスタッフが私を連れて奥のドアを開き、そこにいた子供達の中から『選べ』と言うからだ。

「おいおい、どうなってるんだ。」流石に私は怒った。

現地コーディネートの人間に日本語で文句を言ったのだが、変態ディレクターと変態カメラマンはもう各々ど変態行為に移っているようで、フロアーまで戻ってくるのを待つしかない。

ギンギンにエアコンで冷えた薄暗いフロアーから外に出てみた。ゾウにまたがる人。バケツの水をトラックの荷台からまく人。縁側でホースから水を道路に向けてる人…。村?街?それぞれの人が、このお祭り時間を楽しんでいる。

俺はここでいったい何をやってるのだろうか…。怒りを越えて、途方に暮れる。そこにヘラヘラと店内から出てきた変態ディレクターと変態カメラマンが笑顔で寄ってくる。ヘラヘラと寄ってくる。そして私に問いかけてきた。

『ソンクラーン(水かけ祭り)はこれからだ。楽しもう‼️』

あまりにも腹立たしく、コイツらとはその後口をきかなかった。当然、現地のプロモーション撮影も適当に終わったのは言うまでもなく。

それにしても…。あの子供達が売られている姿を見て、今でも吐気がする。そして、切ない。

この事と全く同じではないが、何ともそれに近い、と思える作品があったので紹介したい。

この映画は決して興味本位で観てもらいたくない。しかし、これが現実なのだ、と言うことも伝えておきたい。

『闇の子供たち』梁 石日作 https://youtu.be/vMkwmjscdto

この撮影後、日本のスポンサーへ講義したが、当然依頼した側もそこまでの事とは思ってもおらずで、平謝りであったのは言うまでもない。

●タイ渡航回数 10数回
●国内通貨:バーツ

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keitanhiramatsu