【中京高等学校柔道部】私は野井泰明先生から学び幸せでした。安らかにお眠り下さい。

柔道

【中京高等学校柔道部】私は野井泰明先生から学び幸せでした。安らかにお眠り下さい。

12月21日の午前中は、いつもの様に息子の高校へ柔道出稽古をしに出掛けて来ました。宮本功三先生らと無理しない程度で高校生と乱取り。良い汗を流せて午後からの仕事に向かった。

※中京高校卒業アルバム

開店業務を済ますと着信が。「野井泰明先生が他界された…」と。その後の会話はあまり思い出せない程、空白と言うか、ボォーっとしてしまったのでした。

私は小学6年生の終わりに妹尾道場に半ば無理矢理に近い状態で柔道入門を親と小学校からさせられ、そこから柔道漬けの毎日になりました。

小学校からは毎日の様に親が呼び出され、学校内でも問題ばかり起こしてきました。地域少年育成場ともなっていた妹尾道場で精神を鍛え直す様に、との進めと父親も柔道有段者だったのもあり、ヤンチャな私は当然の事にも今となれば理解出来る。

本格的な稽古は中学生からで学校が終わり、夜の道場稽古がキツくて正直嫌で嫌で仕方がなかった。19時半から道場に入り23時帰宅の日々。月、水、金が柔道で火、木がトレーニング…。

※高1稽古終了後の同期生

そんな中学生活の1年生終わりになった頃に、毎月以上で道場に顔を出して下さる方がいた。それが高校恩師となった野井泰明先生でした。

パタゴニア

妹尾道場は中京高校柔道部卒業の先輩方や指導者も多く、野井先生も居心地が良かったのか、高校の稽古が終わったタイミングで本当によく道場へ顔を出して下さり、ジャージ姿で優しく声を掛けてくれたのでした。

時には、焼肉屋へ連れて行って下さったり、また街中華を吐きそうになる量食べさせて下さった。お寿司もいただいた思い出がある。

「中京で柔道をやろう。インターハイに行こう」これが口癖の様に伝えられ、洗脳されるほどでした。

妹尾道場は歴代で中京高校柔道部への進学者が多く、知らない高校では無かったが稽古が厳しい事は中学生ながら耳にしていたので、困ったなぁと思っていたのも本音でした。

高校進学への最高の条件も提示して頂けたので、私は野井泰明監督の下、中京高校柔道部へと入学し、野井先生の本格的なご指導をいただいたのでした。

※卒業アルバムより。野井先生右横に私

当時の高校部活動は稽古以外の時間は、ひたすら寝る。もしくはストレス発散で街の高校生捕まえてケンカするか位。とにかく自宅で寝るのが一番の幸せでした。

起きて学校に居るタイミングは前店か、食堂か…柔道漬けですからね。授業を行かなくても、16時からの稽古に参加していたら野井先生は許して下さっていました。

そんな高校3年間を終え、大学への柔道進学。野井先生とふたりで新幹線に乗り、進学先大学に2度も行ったのを覚えています。

高校入学前からスカウトでお世話してもらい、大学への進路サポートも本当に情熱的にやって下さりました。これが野井先生との時間でしたし、あの時の生徒への情熱的な接し方がなんだか今の自分にあるのだなぁとも思えてきます。

大学卒業を境に柔道から離れ42歳で再び柔道に戻った時に、野井先生を尋ねました。「指導者とは。チームとは。現代柔道とは。」たくさんのことを40代半ばになった時にもお酒を交わしながら丁寧にご指導して下さったのも忘れられない大切な思い出です。

お通夜の日時が中京グループLINE《野井先生を囲む会》で回り、翌朝動ける準備を土曜日に片付けた。日曜日朝、車で愛知県知立市の式場へと向かった。

そこで野井泰明先生は、気持ち良さそうに眠られていました。

優しい顔は高校時代には見た事もない顔でしたが、ご家族の方に見守られ、病いともう闘う事もなくゆっくり眠られていました。先生のお顔を拝見し、自然と流れる涙を拭く事もせず、合掌。

野井先生へ最後に伝えたのは「これまでお世話になりました。安らかにお眠り下さい。闘病お疲れ様でした。」そんな当たり前の事でした。

「報告もあります。息子ふたりは共に野井先生の教え子に預けました。長男は内村直也君。卒業し就職も内村君が全てやってくれました。 次男坊は今年から先生の拠点愛知県で柔道をやります。久野高裕君に預けます。野井先生の意志を継いだ信頼出来る指導者です」と。

※中京高校(中京大中京高:現在)栄光室へ

息子達が柔道を続けてくれる限り、野井先生の柔道魂は私の中で生き続けていきます。天国から息子達を見守って下さい。時には激を飛ばして下さい…。

涙が落ちた重ねた手を震わせて最後にお伝えしてきました。

野井泰明先生、安らかにお眠り下さい。私は先生の生徒として、誇りに思っています。有難うございました。先生との柔道ご縁に感謝しています。合掌。

《関連ブログ》
●中京高校(現中京大中京)思い出の柔道部道場を訪問。2015年10月9日
https://kei-hiramatsu.com/2015/10/09/post-3958/

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