【パタゴニア鎌倉ストアでリペア話に。】ギアのストーリーは直し手も喜んでもらえます。
私が初めて波に乗れたのは、古い親友Bobが付きっきりでサーフィンを教えてくれたから。
沖縄本島の漁港近くからエントリー出来るポイントだった。この日は台風の影響で釣りは中止、よって船長も一緒にサーフィン。
3人でメインまでパドルをしながらですが、私だけパドル力もなく遅れながら必死に着いていく。
先に着いた2人は波待ちしながら覚束ない私をみて笑っていた。
セットで波が入ってきた。マンブー船長は先に乗っていく。私はまだパドル疲れで波を見送ろうとしていたのですが、Bobは「ケイちゃん、パドル!パドル!」と波をみて叫んだ。私は必死にパドルをする。
波に持ち上げられた感覚の次に、一気に身体毎滑りだす。漕ぐ、とにかく漕ぐ。板が持ち上がった波の上から滑っていく。パドルから肩ひざ立ちになり、そして視界が広く変わった瞬間が今でも鮮明に覚えています。
初めて板に立てた、忘れられない記憶です。今でも嬉しさと興奮とが重なり合う大切な思い出の中に、ビーニーハットを冠る私があったのでした。
それ以来、チービシでも慶良間でも恩納村ビーチでも砂辺でもスーサイドでも、必ず私の頭に着いていたのが【ビーニーハット】だったのです。
釣りの撮影でバリ島に年間2度は数年必ず行っていた時代がありました。この時も入国を仲間より前乗り、後戻りをしてサーフィンを楽しんでいたし、コモド国立公園などの上陸時なども、いつもビーニーハットは頭に付いていた。
これが私の【ビーニーハット】とのストーリー。
いつしかハットからキャップに変わり、ビーニーハットは自宅保管となったが、今回ふとしたきっかけでビーニーハットを手にするタイミングになった。
冠ってみた時に、首にかけるゴムの縫製が解けており、こりゃアカンとリペアへ持ち込んだのです。しかし、リペアセンターでの処理は「不可」として戻ってきてしまいました。
相当な思いのあるギアなだけに、どうにかならないものか…とスタッフに相談した際、本来の縫製とは違う処理ならば…と嬉しいお助けがあったのでした。
それから数日後。パタゴニア鎌倉ストアから連絡があり、タイミングでストアへお邪魔した。
【ビーニーハット】をリペアして下さった方がリペアセンターからストアへ来て下さり、手渡しされたのでした。その方はYokoさん。
リペアセンターのベテランさんで、個人的にミシンなどの作業が好きなので自宅で縫い直しておきました、と。
インスタで以前から繋がっていて、お互いの発信はチェック出来るのですが、こうしてお会い出来るのは初めて。お礼以上の感激と感謝。ただただ頭が下がるばかり。
まだ使える、ギアを長く使いたい、ギアのストーリーが聞きたい、そんな「直し手」側の温かい気持ちが素晴らしく感動したのでした。
パタゴニアストアへは、製品をチェックしにいくだけの場所じゃない。スタッフとヒトとの繋がり、フィールドを中心としたコミュニケーションが取れる場所なのだ、とあらためて強く感じたのでした。
私がパタゴニアを愛する理由。それはただモノを売る場所だけでなく、心の通った製品愛がお互いに感じられるから、だと思っています。
また、古いウェーダーを再利用した、スタッフ専用のバッグを見せて頂きました。鎌倉ストアからリペアセンターまで、カスタマーからお預かりしたリペア品を手持ちで運ぶための丈夫なバッグ。
これ、みるからに素晴らしくて、私もフィールドで使いたいなぁ、そんな気持ちになったバッグでした。
渋谷ストアなどには、Yokoさんお手製の足マットがフィッティングルームで使われていたりしているそうで、これはリサイクルカゴに入れられた古いTシャツを紐上にして編み上げたとか。
メッセージカードなどを入れる布地カップなども個人的に作っておりストアで使われているそうです。私も何度か見たことがありますしね。
最後にストアマネージャーのRikaさんから、今季発売の【繁土】を試飲して下さいね、と頂いちゃいました。
有り難いです。ゆっくり呑ませていただきます。
私にとってのパタゴニア製品は、どれもストーリーが詰まった製品ばかりです。これからは、そんなストーリーも紹介していけたら、と感じています。
Yokoさん、Rikaさん、有難うございました。この先も永く使い続けていきますね。










