【馬子にも衣装】披露宴に呼ばれ『背広』を出すと…。昭和仁義な匂いに大慌て。
『平松さん、披露宴は5月ですから空けといて下さいね。忘れないで下さいね』
そんなお誘いをいただいてから4ヶ月。披露宴の出席前にスーツを準備しようとクローゼットを開けてガサガサ探し始める小生。
最近着用したスーツ類と言えば、柔道審判用ウェアー。それ以外はまずジャケットを着用する事もなく、普段着、通勤着がラフな日常なのだ。
『お母さん‼️結婚式に着るスーツ出して‼️』相変わらずの人任せ。その呼びかけに呆れ顔でクローゼットに入って来た女房。
「タンスの肥やし」化されていたいくつか若い頃に着用したスーツを出してもらう。防虫剤が入ったスーツカバーからジャケットを出す。
「あっ!これは●×君の披露宴で着たヤツだ‼︎」なんて話しながらスーツカバーのファスナーを開ける。なんだか近年見ない様な色使いのジャケット。
ダブルの切り替えしに金ボタン。昭和任侠日活スターになるなら、一瞬でなれるぞ。オマケに昨年紅白歌合戦まで出場した『登美丘高校』のバブリーダンス“ダンシングヒーロー”が踊れるような女房のボディコンスーツまで出てきた。
タンスの肥やしはかなり充実された昭和レトロをそのままにしてくれていたのだ。
これも、無理。こっちもダメだ。これは…こんな色…。このボタンにこの重ね具合。長男が見たら、ぶっ飛ぶだろうな(笑)
更にパンツをみると、ボンタン狩りに合いそうな太くツータックなズボンが実は全て…であり、徳川将軍か!仲間徹か!と突っ込まれそうな太いズボンばかり。
小生のスーツ事情は想像を絶する『フラミンゴパラダイス』な時代で止まっていたのだ…。
その時夕方6時。まだ間に合う。慌てて紳士服大型チェーン店に向かう事にした。何かあるだろう。どうにかなるだろう…。少しの期待と大きな不安で女房と次男を連れて紳士服屋へと向かったのだ。
ここへ来たのは、長男のスーツを高校卒業時に着るとの事でやってきた以来。
長男のスーツはサイズが多彩に在りお値段もデザインもお手頃価格で選び放題だったが、果たしてオヤジはどうだろうか…。その辺りは財布財政管理局長を務める女房が、オラオラな勢いで売り場スタッフに問いてくれる。
『ございますよ、こちらでお選びいただけます』小生の様な中年末期小肥亜細亜体系の安売りスーツもいくらかあった。ニヤリとする。
太ももは正座するときっと破れるだろうタイトなカタチをしたデザインで当然ノータック。パンツに上衣(上衣とは言わずジャケットか…)は肩から腰にかけてキュッと絞れていて全体的に短いのが最近の特徴なのだろう。
昭和任侠背広を自宅で羽織った際、女房は笑い転げていたのだが、紳士服屋で試着したその姿をみると『なかなか良いじゃん』とGoサイン。
2枚セットでご購入の方は…と破格値を提示され、まだ誰も死んでいないのに冠婚葬祭用まで準備した。
まあ、同時購入なら二着目が1000円なので、白と黒のネクタイはセットにしてくれ、準備完了。後はネクタイ選び。
これは全くセンスがないので店員さんの思考趣味と気持ちがたくさん篭ったネクタイを選んでいただいた。
こうして翌日に控えた我が家の披露宴騒動は無事解決し、晴れ舞台に参列させてもらい、終始お祝いに感激したのでありました。
二次会は一緒に参列した宮本功三先生と羽目を外しすぎ、横浜駅で記憶喪失となり帰宅困難者になってしまったが、まあとにかく【馬子にも衣装】でそれなりの正装が審判ウエアー以外にも我が家の選択するものが増えたのでよかった。
さあ次は『タンスの肥やし』を早々に処分していかないと、ね。