【ブリを求めて、北の大地へ2】オホーツク海紋別沖にて実釣開始‼️
朝3時過ぎにアラームが鳴る。空調は入れずに部屋の窓を開けておいたので、カーテンを開いたら既に明るくなってきている紋別エリア。そう、北海道の朝は、早い。
夕焼けのようなオレンジがかった日の出は、幻想的。この時間の北海道が私は一番好きだなぁ。
まずは昨夜沸かしておいたポットのお湯にティーパックを入れ、紅茶を作る。その準備を先にしてトイレ、洗面作業。
釣りの準備はできており、更には前日にお酒を買いに行ったスーパーで半額弁当を購入してあったので、コンビニで弁当調達も必要ない。
準備周到。自宅から持ち込んである保温力の高い水筒には、氷を入れて出来上がっているので、紅茶を注ぐだけ。2つの水筒を満杯にして4時過ぎにホテルロビーへ。
もうその時間には辺りは明るく4時半には出船となる。
ホテルから乗船先までは車で10分。紋別の嬉しいところは、朝の時間、港までが本当に楽なところ。これ、かなり重要。
港周辺で宿泊出来、晩御飯を食べられ、日常生活品を入手も出来る。おまけに温泉まで行けちゃうし…。面倒くさがりな私が最も嬉しい環境で海に送り出してくれるのが、紋別。常にヒイキ目で見ちゃいますね。
マルタケ伊藤さんが船まで送ってくださる。
既に今回の乗船者アングラーは全員船に乗り込んでいた。皆さんにご挨拶をする。
今回は「講習会」ではなく、アドバイザーとして乗船させてもらい、みんなの疑問などに答える役目と、実際にブリを釣って見せるのも役目。これが今回託された任務なので、意識を高く持って対応したい。
ホライゾンⅡは直ぐに出港となった。紋別アングラーの藤井さん、伊藤さんも乗船されていた。この二人がいたら、心強い。一緒に釣りをしてきているので安心して私も釣りが出来る。
今回初心者(初めてのジギング)の方も乗船していたので、まずは釣りが出来るまで私はそのアングラーに付いた。
ジグの選択、着底からの動作、しゃくり方などをわかりやすく伝える。一連が出来てるな、と感じたら、それ以上は言わない。釣る事で足らない事はアドバイスをさせていただくが、お節介になると聞く側もウザくなる。
その辺りの加減を気にしながら、最初のアドバイスをさせていただきました。
ポイントに到着し、30分ほど乗船者の様子を見て、5時半になり私もジグを落とす。
ジグを落としてしゃくり始めた感覚は「これ、食うぞ」と感じられるようなジグと潮流の当たり具合。「食いそう、食いそう」かなり連発して発していたと思います。
そんな時、ミヨシ下でしゃくっていたアングラーに明らかなバイト。ロッドを絞り込まれ慌てている。
私はロッドを置き、そちら側に向かおうとしたときに、ラインブレイク。今年の紋別初ブリキャッチはまだお預け。ただ、ブリからの反応はこうして出てきているのだ。
チャンスは今から。するとバラしたアングラーの真裏アングラーもボトム着底と同時にロッドが絞り込まれた。
この時はフッキングが浅くて、抜けてしまった…。相当に悔しそうなアングラーの顔。2発のブリからのバイト。時合いタイムと思って私はジグのアクションに集中する。
ボトムを確実に取り、ファーストインパクトを入れて誘う様に心がける。必ずこのエリアにブリは居る。居ることがわかっているから、誘いも着底前から意識して誘う様なフォールを入れて行く。
ジグが着底する、そして10しゃくりほどした時に「グッ」とバイトがある。そして掛かりが浅かったのだろう、直ぐにバレてしまったのだが、そのまま誘い続けた。
すると「ググッ」と今度は確実なバイトの末、ロッドを絞り込まれた。ヒットだ。
前夜のミーティングで今年の紋別ブリはまだ上がっていない。ぜひ釣って欲しい、と有持船長からも言われていたので、どうにかしたかった。その魚が今ヒットしている。
私がブリを狙う時に、色々な場面がある。
例えば、ヒラマサを狙っていて、ブリが外道で食ってしまう場面。ブリを狙いに行き、ブリをキャッチした場面。TV撮影などでブリを狙う場面。講習会でブリを釣らなくてはならない場面…と様々。
しかし、今回のブリ狙いは本当に気持ちが入った、というか、集中していたのは事実。紋別エリアを盛り上げたい、という願いからの今回の釣行。
今期スタートしてからずっとブリの釣果がなく、いつ回遊してくるのだろうか、というドキドキ感。数が多く回遊してくるのか、あまりブリの回遊がない年なのか…様々な思いが7月下旬に頭の中で渦巻いていた。
結果を出していかなくては、来た意味も無い。正直、ドキドキであったのだ。
その思いが積もった魚がかかっている。掛ることへの集中、そして上げることへの集中。ブリでここまで気持ちが上がったのは、もしかしたら初めてかもしれない。
それほどの胸の高まり。それでも何としても魚を獲るぞ、という思いでファイトし、無事ネットに収まった。
7kgサイズ。嬉しさと達成感。集中と緊張の連続。ネットに収まった時、声が上ずっていた。それほど獲りたかった1尾であったのだ。
有持船長が動画を回してくれていた。その様子は後日YouTube《KEIチャンねる》で公開いたします。お楽しみに。
無事、2022年度の紋別沖ブリジギングで釣果が出た。釣ったのは私だが、紋別エリアの活性がこの1尾で大きく影響してくれたら、という願いが叶い6時10分に早々で仕事は完結。
その後にどうだろう、と変わらずジグを落としていく。
ジグと潮の絡みは最高に良い具合。ボトムから中層にかけて大量発生しているマフグをどの様に交わして探るかが、ブリが釣れるキモ。
船中、みんなフグに苦戦している様で、マフグを釣りまくっていた。この状況下、7年前のエイ出版社「ソルトワールド」連載「平松慶のヒラマサワールド紋別編」にて細かく解説しております。
どの様にしたら、フグの層で回遊するブリを狙う事ができるか。バックナンバーを開いて読んでいただければ、幸いです。
20分ほどしてからでしょうか。私の横でしゃくっていた藤井さん(通称、鷹さん)が黙ってブリをかけていた。「やっちゃったです…」と控えめにファイト。
嬉しそうな表情を出さずに、真っ黒な顔で少し目尻にシワを寄せながらファイトしている。船上本日2本目のブリ、キャッチ。
同じくらいのサイズでしたが、この日はサイズではなく、ブリが今年も狙えるんだ、という開放日。だから嬉しさも増す。
こうしてオホーツク紋別ブリゲームは開幕となった。
お昼に向かうに連れ、潮がおとなしくなり、1.4ノットで流れていた潮も、最終的には0.01ノット。これではお手上げ、となりロッドオフ、となったのでした。
有持船長が釣果をSNSにあげた途端、船の予約が殺到(これ、マジ)。8月10日までの乗合船が一瞬で満席に。良い事ですね。これが私の役目。
人が多く入れば、その分メタルジグとブリとの遭遇率も上がり、それが釣果へとつながる。「釣れないんじゃない?」「まだ早いですよ」という軽率な憶測を私の様な釣りを仕事にしている者(テスターさんとかね)が発したら、恥になる言葉。
私は、何としても魚を探したいという思いだけで、神奈川県からオホーツク海に入った。釣りを仕事にしている以上「釣りに絶対は無い」が釣りへの向き合いに「絶対という気持ち」を常に前向きに持っていなければ、いけないと思う。
翌日は低気圧の影響で出船中止になり、1dayのみという状況でのブリ狙いであった。そこの集中力は自分でも褒めてやりたいと思っている。
ご褒美は、安いウヰスキーのハイニッカをホテルの部屋でゆっくり飲みたいな。それで、十分。
ホライゾンⅡ有持船長、ありがとうございました。また翌日乗船予定だったM鈴木誠船長、次回はどうぞよろしくお願いいたします。
紋別沖のブリゲーム、1dayでしたが大満足な結果に終わりました。ありがとうございました。