【令和六年 全国柔道高段者大会】六段の部、講道館にて。

柔道

【令和六年 全国柔道高段者大会】六段の部、講道館にて。

嘉納治五郎師範の命日となる4月28日、日本中から柔道高段者の先生方が柔道総本山である講道館に集まる。

講道館柔道で昇段に必要な試合をするのです。

柔道高段者大会は五段から参加することが出来(女子は四段)、私は今年で11回目の参加。

昨年(令和五年)より六段の部でエントリーしており、今回も福井学先生と共に都内へ向かったのでした。

早朝に都内を抜け朝8:15に講道館裏のパーキングに駐車。9:00からの開会式へと。

今、あるTV番組で密着取材されており、この試合にもカメラが着く事になっており、会場にて撮影スタッフと合流。

プロデューサー、カメラマンらにご挨拶を済ませて更衣室へ。いつも通りにロッカーをキープし、柔道衣に着替えてアップ道場へ。

コロナ前は毎年《ゼロ試合》と言って仲間たちで試合前に乱取りをしていました。

これが実に異様な風景であり、楽しかったのですが、今は段位別に受付となるので、七段の仲間たちは会場入りがお昼過ぎ。

私は今年10回表彰があり、その様子も密着取材にて撮影される事になっており、開会式からの参加。そういった関係もあり、早い会場入りになったのです。

開会式を終え、10回出場の証書を受け取る。

思い起こせば、2度とやらないと決めた柔道が、ガン治療からのリハビリ、少年柔道への参加になり本格的に柔道と向き合う事になった。

13年前に地球儀の様に腫れ上がった身体のリハビリで息子が通う吉原道場で受け身をさせてもらったのがきっかけ。

長男が柔道進学で光明学園へ進学し、そこから宮本功三先生や高校時代の後輩の内村直也先生らと繋がっていく。これもご縁。

柔道から繋がるご縁に感謝し、私は毎年欠かさずに高段者大会へと参加する事になりました。

パタゴニア

《全国柔道高段者大会》は日本中から柔道高段者が集まる。

大学の後輩に聞くと「地方は1昇段で1回、全国(高段者大会)に出場すれば良いのですよ」と言う。

全国(高段者大会)にエントリーする方々は、本気の人ばかり。ガチな試合を我々は知ってるから、点数集めは地方大会でしか参加しません。先輩、凄いですねっ、なんて言われる。

…確かに毎年この大会に参加されている方々の顔ぶれは皆さん本気モード。

年齢こそ高いけど、稽古を積まれて参加される方々ばかり。当然、私の周りの方々もそう。

だから私もそんな仲間に連られて稽古をしてしまうのですが…。

仲間の先生と数年前にアップしている時に、対戦相手から引き分けを願う様な言回しされている場面に遭遇した。

「どうするの?」と私は聞いた。「えっ?もちろんガチでいくよ」と。

地方大会では引き分けでの持ち掛けがホントに多いと聞く。後輩も言っていました。それがこうして目の前である事に驚いたし、それを無視する仲間も素晴らしい、と。

全国柔道高段者大会って、そんな場所。

みんな本気で試合をしに来ている場所なんですよね。だから私も4/28をひとつの大きな目標に毎年稽古を積んでいますし、これからも変わらないスタイルなんでしょうね。

今年は1月からスーパーハードな日々が続いています。毎月の釣行撮影もあり、また大きなイベントも重なり、柔道稽古する時間が限られてきました。

ただ、海外遠征撮影前日も高校へ出稽古させてもらい、隙間を見つけての柔道時間。

祝日の午前時間を使い、おじさんらが集まって柔道時間をしたり。それぞれ皆、多忙でありながらも、この大会にかける思いがあったのです。

開会式から六段の試合が始まるまでは3時間半ほど。アップ道場で最初は柔軟し、柔道仲間にご挨拶周りをし、打ち込みから開始する。

相四つからの入り、喧嘩四つ、奥を取られた場面からの技出し…ひとつずつを相手を想定して確認していく。

全国柔道高段者大会の組合せは当日でないとわからないシステム。

対戦相手がどんな体型で、どちらの組手なのか、どんな得意技なのか、等全てわからないのもドキドキのひとつ。

高校生らのインハイ個人などは試合の抽選会が先にあり、対戦相手が試合日前には公開されている。だからどの学校も対策等をして試合に選手は望むのだが、高段者大会は当日。

それも全国から猛者が集まってくる。たまらない緊張感にアップ道場で包まれるのです。

54歳でこれほどの緊張はない。身体に悪い位の緊張感。だから余計にアップでは組手や試合展開を慎重に行い、集中しているのです。

六段の仲間は福井学先生、芝明朗先生、高田健太郎先生。左(私にとって相四つ)が二人、右がひとり。長身が一人、と対策するにはありがたい環境。

それぞれが、それぞれの条件を伝え、打ち込みと研究をする。《おじさん’s柔道時間》の最高の仲間たち。

宮本功三先生や鳥居智男先生らは七段なので受付が午後からになっている。だから以前の様にワイワイと一緒にアップが出来ないのだ。

これもコロナ禍からの取組みで仕方がない。

長い様で短く感じたアップ道場での試合前まで。試合経過は掲示板にアップ道場で示されている。

5試合前に大道場(最上階)に向かうのがルール。13時過ぎに大道場へと上がった。

ホワイトボードには試合相手と私の名前が記されていました。ちらっとみると、密着取材撮影のカメラがスタンバイされていた。

プロデューサーから試合後のコメントが欲しいと言われていた。しかし、今はもう試合モード。集中している。

対戦相手を目で追った。いた‼️デカい‼️。

どう組み立てて試合運びをしようか、と考える。

組手はどっちだ?それもわからない。喧嘩四つならこうだ。相四つなら間違いなく奥を叩いてくるぞ。そんな事を想像して目の前の試合をみていた。

係員に赤帯を手渡された。「平松六段」呼ばれた。よし、いくぞ。

礼をし、試合畳に立つ。「はじめ」大柄長身の方が相手であった。相四つだ…。

1分50秒で試合は終わりました。礼を尽くし、今年の全国柔道高段者大会は終了となりました。対戦して下さった先生、有難うございました。

試合後にすぐご挨拶をし、その後、プロデューサーからのインタビュー。コメントを撮影していただき、今回の高段者大会試合は全て終了となったのでした。

ほぼ同じタイミングで試合をしていた《おじさん’s》柔道仲間は皆さんパチっと一本勝ち。素晴らしい。

アップ道場に戻ると、四段女子の松井コーチ、そしてこの後始まる宮本功三先生鳥居智男先生らがニヤニヤしながら迎えてくれた。

「素晴らしい内股で、また優秀賞か⁉️」福井学先生を茶化してる。高校時代は手が届かなかった強化選手らも、今は仲良く会話。こんなやり取りも高段者大会の楽しみ。

また来年に向けてコツコツ稽古を重ねていくと誓ったのでした。有難うございました。

パタゴニア

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