【名古屋老舗の喫茶店でモーニング】コンパルは思い出の喫茶店。

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【名古屋老舗の喫茶店でモーニング】コンパルは思い出の喫茶店。

名古屋市中区大須観音。ここは私が中学生まで父親がアトリエとして使っていたエリア。万松寺(バンショウジ)さんに宿を借り、大作を作成していて、子供の頃はよく父を尋ねて遊びに行ってきた場所。

次男坊が今年愛知大に進学し、学校訪問を兼ねてのタイミングで大須商店街を歩いてきました。

私が小学生だった頃は今から40年前…。商店街には電化製品がたくさん売られていたり、ヤンキー好みの服(改造学生服)、スポーツシューズなど色々と売られていた。

そうした物は全て好奇心で興味が湧き、何かのタイミングがあれば、直ぐに「お父さんの所に寄ってくる」と母に言ってアトリエに顔を出してきた。

40年ぶりに訪れた大須商店街は、まるで別世界の様に変わっていて、新たな文化の展開になっていたので、それはそれで楽しく観光してきたのです。

まずは大須観音近くに車を置いて、観音側から商店街へと向かう。ド派手な提灯に「大須」と描かれた入り口。食べ歩きして楽しめる小さなお店がやたらと多く感じた。

「こんなんだったのかな?」がストレートな意見。

シモキタ(下北沢)を意識してるのか、やたらと古着屋が多い。アーケードのイメージは、札幌の狸小路商店街が似てるなぁ。ただ、なんだろう…メイドカフェみたいなオタクな店も目立つ。アキバ(秋葉原)を意識してるのかなぁ…私には不気味に思えた。

微妙な古着屋と怪しいメイドカフェに少しグッタリ気味で万松寺さんに向かった。…がしかし、ここもガラリと当時の面影はなく、お寺の方に聞くと8年前にキレイにしたのだ、と教えてもらった。

アメ横程コアでなく、地域密着型の商店街なのかと思うが、インバウンドの恩恵か、東南アジアやアジア方面の観光客がもっさり楽しんでいる…。

完全に私には異国であり、アウェイ。あまり魅力と懐かしさを感じられないお店ばかりにグッタリ気味であったが、ひとつだけ嬉しい発見があった。

それは、父親との思い出が詰まった喫茶店【コンパル】が今も変わらず万松寺さんの裏に存在していたのだ。

名古屋と言えば、スパゲッティのマウンテンか、喫茶店のコメダ珈琲か、スポーツの中京だ。これは勝手な私目線の意見なのですが、それくらいしか思い出がない。

八事のマウンテンにわざわざ大須から行くのもどうかと思い、翌朝のモーニングを狙って【コンパル】に行く事にして大須商店街を後にした。

パタゴニア

そして翌朝。次男坊を起こして女房と3人で朝食に向かう。「喫茶店で朝ごはんという文化は京都にはない!」と少し不機嫌な女房。喫茶店はコーヒー飲む所でしょ。と強く言う。

それは理解出来る。でもコメダ珈琲がこれだけ日本中に普及し地域に愛されてるのは朝食の凄さがウリで人気になったのだよ、とそれなりに適当な説明をして、万松寺さん裏の【コンパル】に入った。

午前9時前。老若男女、異国人、ジジイ、ババア、が新聞を大きく広げながらコーヒーカップでコーヒーをチーチー啜っている。

紙タバコに昔燻されただろう木の柱をみて、ヤンキー車に布かれた紅いシンチラがベースのやられ気味なソファーに座る。

次男坊はメニューを見てメロンフロートとカツサンドを頼んだ。我々ふたりはモーニング。さて、どんなモノが運ばれてくるのだろう、とかなりワクワクした。

まずは次男坊のメロンフロート(クリームソーダと間違えたらしい)とカツサンドが届いた。そちらに特別感はなく、黙って食べ始めた。連れてモーニングのコーヒー。そのタイミングで次男坊が突っ込んできた。

「その小さな鉄のコップは、何?」我々の年代なら、ミルクが入っているのはわかるのですが、ゼット世代には理解が出来なかった様だ。

私はこれぞとばかりにコーヒーへ小さなカップに入ったミルクを注ぐ。一連を次男坊はガン見。

ファストフード店のコーヒーは捨てられる様なプラカップにミルクは入れられていて、常温で置かれている。しかし、昔のスタイルは冷えたミルクが入り、濃厚。それを入れたコーヒーはやっぱり旨さが違うのだ。

遅れてモーニングのホットサンドが運ばれてきた。ハムエッグトースト。こんがり焼かれた食パンにハムエッグが挟まれている。

かぶりつく…絶品。文句なし。なんだか名古屋の味だなぁ、と感じ、コーヒーの旨さが増したのでした。

【コンパル】は父親に連れてきてもらっては、甘いものを食べさせてもらっていた。私は3兄弟の長男。弟たちには、内緒の贅沢品。父親を独占して自分だけ甘いものを食べさせてもらった喜び。こんな思い出も蘇ったのでした。

喫茶店【コンパル】。大洲商店街は異国の地と変わっていましたが、ここだけは懐かしさがこもった味と空間だったのでした。

パタゴニア

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