【古民家を地域で改良し、空間を変えている】岳洋社松井社長との近所酒にウットリ。

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【古民家を地域で改良し、空間を変えている】岳洋社松井社長との近所酒にウットリ。


「SWゲームフィッシングマガジン」ソルトウォータールアーゲームの専門雑誌として日本で最初に創刊された雑誌に10年以上連載を続けて来た小生。カラー連載の題名は《未知の海にフルコンタクト》この題名は松井社長が付けて下さった。
現在は雑誌自体が休刊となっているが、その出版元である岳洋社の編集長であり社長である松井謙二さんより連絡が入り「大阪滞在時に、時間作れ」との事で大阪の問屋様イベント終了後に編集部へとお邪魔させてもらうことにした。

問屋様から岳洋社まではそれほど距離もなく、すぐに社屋へお邪魔する事が出来た。
久々にお会いした、ということではなく昨年の11月に対馬空港で実は顔を合わせており、松井社長の元気そうな顔は変わっていなかった。
編集室で近況を話しながら紙業界の難しさなどを聞く。これだけネット中心の情報社会となっては当然の事なのだろうが正直寂しいよ、と松井社長の横顔に業界の話になった時は寂しさが見え隠れした。

「しょぼんだ話しをしていてもオモロ無いから、飲みに行こ」
近所のお店に連れて行って下さる事となった。岳洋社社屋から徒歩でお店に向かう。どんなお店に連れて行って下さるのだろうか。楽しみだ。

それにしても近所の脇道をずっと抜けるだけでネオンなどは見当たらない。
「ここやで」連れてこられた場所は社屋からひと筋中に入っただけの民家が集合している場所。そこにひとつの灯りがあり、松井社長は中へとガラス戸を引く。

「惣」
縦の暖簾にはそう書かれてあり、脇にある木造の階段を上がっていく。2階がお店となっており、どうやら旧家屋の長屋をリノベーションして作った様な雰囲気あるお店であった。
お店には女将さんがひとり。そこにはカウンターが中心となっており、目の前には日本酒、洋酒、焼酎と各種列んでいる。
「好きなもん、頼めよ」松井社長はビールを頼まれたので小生も合わせて同じものを伝える。
注がれたグラスは西洋グラスでかなり古いものの様に感じた。

「いただきます」さっそくビールで乾いた喉を潤す。
ビールはあまり自宅では飲まないし、減らす様にして来ており久しぶりに口にした美味しさが目一杯に広がる。

ビールは「のど越しで楽しむ」というが、久々のビールは口の中に酵母の味が伝わり、ゆっくりと最初のビールをいただいたのだ。

それから出て来る一品は全てお任せ。どうやらコースの様なのか、それともいつもこのスタイルなのか、をなかなか聞く事も出来ず、出して頂くものを食べながらお酒を楽しむ様にした。

カウンター越しに列ぶ酒類の中で目に留まるものがあった。「余市」「竹鶴」だ。
ニッカウイスキーは工場まで行ったし北海道積丹半島へ通った際に覚えた味だ。小生、その旨を伝え頂く事にした。

なぜだろう、懐かしく感じる。
特に「余市」は昨年夏に本当によく飲んだウイスキーであるが、最近飲んでいなくて味が口の中で楽しそうに広がるのがわかる。

小生、炭酸で割って頂く。松井社長はロック。
それまでご一緒して来た釣り遠征の話しや小生の結婚式で主賓挨拶をして頂いた時の話しなども盛り上がり、お酒の量は重なっていく。
古い着物帯が所々に掛けられ、照明は西洋のアンディークランプ。女将さんに聞くとアンティークショップをそれまでやっていて…と納得する言葉が返って来た。
岳洋社社屋から歩いて5分。こんな隠れ処で美味しいお酒を楽しまれていたんだなっと羨ましく思ってしまったほど、素敵なお店でありました。

結構お酒も頂き、酔い過ぎると電車で迷うから、と松井社長に告げたのですが…「ええから。桜ノ宮(ホテル所在地)までタクで1000円やっ」と2軒目へ。

二軒目のお店は更に紙の話しで盛り上がる。

松井社長、本当に楽しそうにお酒を飲まれ、編集畑でこれまで一筋生きて来た、楽しみも苦しみも全て話して下さった。そんな場面で空気を変えてもいけない、と2軒目もご一緒することに。

「きのこや」

barはそこから民家を抜けてすぐにあった。ここも木造住宅を現代風にリノベーションされたbarで店内にはしっかりとした梁が何本も入ってそれをデザインとした造りを見せているとても落ち着いた店内であった。

音楽はなく、その変わりに図書館の様に文庫本が列ぶ。写メは禁止。ここでも紙の話しで盛り上がった。

「今、これ読んでるんや」「小生はこんな文庫本読んでます」今まで読んで来た本やこれから読んでみたい本、文章を書く者。その文章を編集し出版する方。その会話の空間はたまらなく心地よかったのだ。

また、店主が読み終わった本がカゴに入れられていたのでその中をふたり「あぁ〜だ。こぉ〜だ。」言いながらして漁った。
「この内容はスケベな文学です」であったり「源氏物語の読み方は、こうで…。」など目で追う様な内容とは違う文学を少し教えてもらいながらのお酒の席でした。

それにしてもこの辺りは雰囲気のあるお店ばかり。ここ以外にも間接照明だけが路地越しで少しのガラス隙き間から見えているお店などが集合しているこのエリア。

瓦屋町の長屋風スタイルに一発で気に入ってしまった小生。必ず次の大阪出張時には行ってみたいと思っている。

「もうミナミや新地には行ってへんねん。ここが一番や」
口ひげがとてもダンディーに見えた松井社長がそう言って帰りのタクシーを拾ってくれた姿に一礼し、感謝する夜であった。

「慶君との約束はなっ、アングラー対談や。webで出来る様になったら頼むでっ」
そう何度も言って下さった松井社長はやはり「SWゲームフィッシングマガジン」編集長の顔であったのであった。

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keitanhiramatsu