【PENN スラマー3 スプール】8500ノーマルとHSなぜ?ナゼ?追及。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • 0

【PENN スラマー3 スプール】8500ノーマルとHSなぜ?ナゼ?追及。


小生が日本でプロモーションしているアメリカ製品、リールの老舗『PENN(ペン)リール』スピニングリールでコストパフォーマンスが高いスラマー3シリーズは2018年、それまで離れてしまった本当に多くの国内オフショアアングラーを取り戻す事に成功した、と思います。

日本国内でここ10年間、ペンリールユーザーは、ほぼ居なくなった…。
国内正規代理店もはっきりせず、海外並行輸入品が一部のマニアなアングラーに好かれていた程度であり、強度や信頼、安心、精度、等全て無くなってからの復活の年であっただろう。

そんなペンリール『スラマー3』であるが、5500、6500クラス、8500クラスとハイスピードモデル(HS)を含めて5機種からスタート。
本来、3500.4500や大型であれば、7500.9500.10500とアメリカ本国ではリリースされており、現在はそちらも合わせて国内フィールドでの総合的にマッチング出来るかなどをテストしている状況。

小生が国内フィールドで「この番手(サイズ)が欲しい、追加したい」と思うサイズをメーカー側に伝え、その内スタイル提案と合わせて進めてもらいたいと思っている。

今回気になって書いてみたいと動いたのは、スプールについてだ。

スラマー3には同じサイズのボディでありながら、ギア比の違う『ハイスピードモデル』と言う区別がある。
ノーマルギアモデルがブラック/ゴールドであり、ハイギアスピードモデルはブラック/レッド、で色分けされている。

見た目が完全に色分けされているので違いは一目でわかるのだが、ここで気になる事が起きていた。

小生、あまり詳しくチェックしなかったから後々で気付いたのであるが、リールの同じサイズでありながらノーマルギアモデルとハイギアモデルとてスプール内に納まる糸巻き量に違いが生じていたのだ。

最近は実は同じ番手でもスプール軸の太さの違い、スプール幅の深さの違いが若干あるのだろう、と徹底してスプールをチェックせず、2種類のスプールを簡単な黙認とパッケージ、本製品記載のデータで信じ切ってしまったのだ。

※ノーマルギアモデルとハイギアモデルとのスプール記載データを掲載。記載内容は製品及びアメリカカタログより。
スラマー3 8500 ブレイデッドライン(40ポンド/730ヤード.50ポンド/600ヤード)
スラマー3 8500HS ブレイデッドライン(40ポンド/955ヤード.50ポンド/805ヤード)


記載されたデータを見ての通り、明らかにブラック/レッドで区別されているハイギアモデルのスプールの方がラインキャパシティ(糸巻き量)が多いのがわかる。

では、ノーマルギアモデルのスプールとハイギアモデルのスプールをふたつ並べて見比べてみる事にした。

ふたつ並べてみる。
ひとりだと目の錯覚もあるかもしれないので、仲間と一緒にあらゆる角度から確認。スプールを逆さにしてみたり、ノギスで内径や高さを測ったりした。

徹底して測ってみてどうやっても「全く同じ形状で同じサイズだ」という事が判明した。本当に同じもの(同じサイズ)であるのだ。…だと、思いたい。

そして日本のPEラインを同じ量、ハイギアタイプにもノーマルタイプにも巻き入れて確認してみた。その結果、どちらも全く同じ容量で納まったのだ。

ではなぜ、ノーマルギアモデルとハイギアモデルとのスプール記載データに違いがあるのだろうか…。

小生、しっかりと日本語訳をされた「PENN スラマー3 説明書」を読んだ訳ではない。また、小生が渡されている製品は日本語訳などの冊子など入っておらず、アメリカから輸入したそのままを渡されている。

因みにラインローラーの部分に日本モデルはボールベアリングが内蔵されているが、アメリカや日本以外で販売されているものはカラー(ボールベアリングと同じ形状のプラスチック)が組み込まれている。ここもひとつ大きな違いである。

今回はそのラインローラーの話しではなく、あくまでもスプールのお話し。
ではなぜ、同じ製品であるのにラインキャパシティー(糸巻き量)の記載違いがあるのだろうか?。これを能く能く考えてみた。

もしかしたら…という憶測で申し訳ないのだが、もしかしたら…ですぞ。
そもそも製造過程に於いて、ゴールド(ノーマルギア)とレッド(ハイギア)の区別を着色時に付けるため?と考えてみたり、間違いの無い様な工場側の区分け程度に区分してみただけ…?そんなことないよなっ。

それであれば、何だろう…。
そう考えるうちに、そもそも「ハイギアタイプ(レッド)」のアメリカサイドの製造区分はジギングモデルとサブネイムが付く位、ジギングでの使用をハイギアタイプに推奨している。その理由に2オンス(56g)もするアルミノブが付属で付けられており、ハンドルノブの重さの惰性を利用してジギングを操作させるスタイルが出来上がっているのだ。

日本人とアメリカ人との根本的なジギングスタイルが違うのは、今だにアメリカ人はジギングの際、沈めたメタルジグを操作する際にロッドをしゃくり上げ、そしてしゃくり上げた幅をリールでスラッグ毎に巻き取る。これを繰り返す。

ロッドを下げながらリールのハンドルを巻くのだが、その時にハンロルノブにウエイトがあれば、ハンドルを巻くのは重さの惰性で軽くなる。だからハンドルノブを重くして、より速く巻き取り、巻き取り時に軽さも付いてくる、という訳だ。

日本人的感覚はロッドの操作をメタルジグに動きを入れながらもリールで巻き量をコントロールするスタイルが主流となって来ており、アメリカ的な考えはむかしから変化のないロッドワーク(アクション)と言える。
またギア比が高くなれば、それだけラインの回収率が良くなり、「巻取が速い=手返しが良い」という図式が出来上がり「手返しが良い=キャスティングで何度も打ち直すことが出来る」という式に結びついていく。
小生はその式にすぐに結び付いてしまったのだ。

だから「ノーマルギアモデルとハイギアモデル」との使い分けはハイギアは速い動きのジギング、そしてキャスティングスタイル、ノーマルモデルは「点の動作」としてのジギングスタイルで推奨してきたのだ。

当然、日本人の意見など白人社会で取り入れてもらう事などなかなか難しくこれからしっかりと理解してもらう様に努めていきたい課題であるが、最初にアメリカでリリースする際に設定した「ラインキャパ」をレッドのハイギアタイプは同じスプールに多く入れる。オールマイティーな投げても使うぞ、というアメリカ的感覚のノーマルギアタイプにはどんな場面でもトラブルの少ない様に最初から「ライン要領を少なくセッティング、少なく記載しておく」ことでトラブルや事故への減少、訴訟問題等まで考慮しての対応であったのでは?と思えてしまうのだ。

それを根拠?証拠?に《写真3》のノーマルギアモデルとハイギアモデルとのスプールに描かれた外周円の枠の幅に違いがあることに気付く。
《写真3》
《写真3》鉛筆の芯が指している位置をご確認下さい。

ゴールドの8500スプールが外周枠が「ここまでよん」的に少し内側に描かれており、それ以上は入れないで!とでも言いたげにレッドのハイギアタイプよりも小さな円が描かれているのだ。

ジギングでラインを少しでも多く入れておきたい、また、キャスティングを推奨していないハイギアタイプはノーマルギアよりもより「ジギングへ特化した」ことの現れなのではないだろうか、そう思えて仕方がない。

日本ペンリール担当の人間とこの事について話してはいないからそれ以上の答えは分からないのだが、小生が思う「ノーマルギアモデルとハイギアモデルとのスプール記載データの違い」はこれが理由なのではないのだろうか、と思えて仕方がない。

これからも追求を続けていきたいが、もしこの事がアメリカPENN本社的正解要素が多ければ、またご報告を兼ねて更新してみたいと思っている。
これら全て、小生の憶測のもとで勝手に書いてある内容であるので、それ以上の根拠はないのだが、小生なりに納得のいく答えをどうしても見つけ出したい。まだまだ調べて動いてみます。

ピュアフィッシングのペンリール担当さん方々、いかがなものでしょうか?

《追記》2019年2月5日 PM17時52分

さっそくペンリール担当の方から連絡を頂きました。
アメリカ本国のペンリールに問い合わせをしていただき、ラインキャパの少しの違い、その全貌を確認して頂いたので追記させて頂きます。

そもそも、8500と8500HSのスプールは「別物」です。8500はオールマイティーな釣りに対応しての作り、そして8500HSはやはりジギングに特化しての考えが開発者側にはあった、との事でした。
「一回の巻き上げを大きくする。“I・P・T”(インプット・パー・ターン)を大きくし、一回転の巻き量を多くしたかったのだ」そうだ。
だが、本体に対して、スプール形状の変化はなかなか難しい。ラインを入れていくベールアームとのクリアランスもあり、無茶な変化はスプールに付けられないので、スプールのヘッド部分の直径は8500と8500HSと同じであるが、ラインを受ける部分(写真3の部分)の大きさが2mm以内で広げてあり、それでラインを少しでも多く収納出来る様にし、スプールのスカートの裾で内側に入る様な傾斜をちょっと付けて帳尻を合わせているのだ、というのだ。

だから、スラマー3自体は何とも最高な「コストパフォーマンスに優れたリールだ、」と言いながらも、実はスプールが共通パーツではなく、しかし共通に使用出来るギリギリの位置で8500HSのラインキャパ(糸巻き量)を増やしているのだという結論を頂きました。

あらためて、ペン スラマー3って素晴らしいぞっと実感した小生でありました。

スポンサーリンク
patagonia
パタゴニア
patagonia
パタゴニア

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

keitanhiramatsu