【完全解説‼️ヒラマサとブリの狙い方】そもそも、両魚の性格差は⁉️
ヒラマサとブリ。本州〜日本海側では、これにカンパチが混ざる事は少ないが、太平洋側では3魚種混生のエリアも少なくない。
今回はヒラマサとブリの習性や特徴、狙い方を平松慶目線で解説していきます。分かりやすい表現を用いるために、カンパチの動向も例える場面もありますが、これはあくまで表現の分析として例に上げる事までで、ご理解いただきたい。
また、出世魚で知られるブリは、サイズによりそれぞれ名称が変わりますが、ここでは「ブリ」を統一させていただきます。
《解説項目》
●ヒラマサとブリの捕食態勢をわかりやすく解説。
●ヒラマサとブリの尾鰭の違い(行動におけるスピードの違いなど)
●ヒラマサとブリとの、捕食方法の違い。
●ベイトに対しての、ジグ操作を変える大切さ。
●辺層で探るブリ、ストラクチャー(魚礁や瀬周り)テリトリーを持つか、持たないか、の違い。
《解説》
ヒラマサとブリを比べて、アングラー目線の狙い方や特徴を上げると、この魚種の行動をまず把握したい。
幼魚クラス(1kg未満の1年魚)は同じエリアで生息している環境ならば、ほぼ一緒に行動をしている。群れて動き、他魚から身を守る様にして生息する。
2kgを超えた辺りから群れて行動をするブリからヒラマサは離れ、自分のテリトリーを作り出す。地形の変化がある場所(駆け上がりや起伏の激しい瀬など)や、魚礁などがわかりやすいでしょう。こうした変化のある場所で捕食し易い環境を見つけ成長していく。
●ヒラマサとブリの尾鰭の違い(行動におけるスピードの違いなど)
逆にブリは幼魚時代から成魚になるまで群れでの行動であり、生息環境が変わってくる。二又形(ニサケイ)の尾鰭を見ても、ブリの尾鰭に対してヒラマサの尾鰭はより尖る様に伸びてあり、瞬発的動作のスピードが速いのがわかる。
ブリの尾鰭又先は、カーブが丸いのだ。同じサイズでみればわかるのだが、尾鰭軸がしっかりし、力強さがあるのがヒラマサ、細く丸い方がブリで、この尾鰭の形状の違いが捕食体制にも違いを生むのである。
●ヒラマサとブリの捕食態勢をわかりやすく解説。
因みにカンパチも尾鰭はブリに近く、狙い方でジグのアクションをみるとショートピッチのワンピッチアクションを続ける事が狙い方の差になる。
トップゲームでカンパチの捕食をみても、ブリに近い捕食行動であった。ロウニンアジを狙っていた際に出た(バイト)のだが、ハタ類の様な吸込むバイトとも違い、ブリやツムブリに近いバイトであったので驚いた記憶がある。
捕食に対して、わかりやすい説明をすると、トップゲーム時に明らかな違いがわかる。
●ヒラマサとブリとの、捕食方法の違い。
ナブラ打ちや、誘い出し時に、ルアーを追い越して捕食(お腹辺りをめがけてバイトしてくる)ヒラマサに対し、ブリは動くルアーの後ろから捕食しようとする。捕食時の瞬発力の違いが尾鰭の形状でも分かるのだが、完全に捕食の違いが見てわかるのだ。
●辺層で探るブリ、ストラクチャー(魚礁や瀬周り)テリトリーを持つか、持たないか、の違い。
ジギングでヒットした際、暴れる動きをロッドからも感じ取れるのだが、ヒラマサであれば、暴れる幅が広く、ロッドのストローク幅も広くなり、グイグイと大きくロッドを振る。これは、捕食して自分のテリトリーに戻ろうとする行動がロッドにも伝わっているのだ。
それに対し泳遊力の少ないブリはトントントンとロッドを叩く様な暴れ方をするのが特徴。頭を降る様にして、捕食後に違和感を感じたブリが動く動作になる。
ジギングで狙う場合、ジグの操作によってヒラマサとブリが混生しているエリアで釣り分けるテクニックがある。
ヒラマサの捕食行動は、視界で追う動体視力から離れる(逃げる)様な動きをするベイトを追う行動をとる。メタルジグのアクションが水切れの良い動きなどを好むのもこれがキモになっているのだ。
それに比べ、捕食時に動きがヒラマサに比べてノロいブリは、一定の動きや、潮に乗せた緩い動きをする事で釣り分けが成立するのだ。視界から離れる様な派手な動きのベイトを追いきれないのもわかるだろう。
両魚が混生しているエリアでは、特に顕著なまでにその差が出る。これを理解していないと、いつまで経ってもヒラマサ狙いなのにブリしか釣れない。
ブリを狙っているなら、それで良いのだが、ヒラマサ狙い時には、アクションの変化を知らなければヒラマサには辿り着けない。簡単にいえば、より派手なアクションや機敏な動きをジグに与えてやらなければ、釣りわけが出来ないのだ。
偶然の1尾はあっても、必然的にヒラマサを釣る事は難しいでしょう。
キャスティングでバイトしてくる両魚の違い、ジギングで掛けた後の両魚の違い、両魚をジギングで釣り分けて掛けるテクニックなどは、こうした魚の違いがわかる事で、より狙って獲る事が出来るターゲットになるのです。
前回、長崎県対馬でヒラマサとブリが混生する魚礁周りで狙っていた時の事。メタルジグをアクションさせる事でヒラマサとブリを狙い分ける場面があり、皆それぞれにジグを操作していた。
面白い結果が出たのは、私や今泉さんには徹底してヒラマサをキャッチしているのに対し、他のアングラー方々はブリばかりのヒットになっていた。
●ベイトに対しての、ジグ操作を変える大切さ。
ラインを長く出して遠くでヒットさせていた。釣れているから面白いのだが、ヒラマサを求めて狙っているならば、やはりこの釣り方の違いを知ってもらいたい。
ブリが捕食しやすい動きで誘うから、ブリが釣れる。ヒラマサを狙って、ヒラマサのアクションを続けるのでヒラマサが食ってくる。この意味なのだ。
七里が曽根で狙っていたのも、ブリ。ダラダラと弱い動きにブリは好んで口を使い、私はヒラマサがいないか?と意識して激しい動きをして探し、見事な迄にヒラマサをキャッチする事はなかった。
もちろんその日、七里が曽根では1尾もヒラマサが無かった。これが、ベイトに合わせてジグの操作を変えると言う解説であり、ヒラマサを狙いたかったから、釣れなかった結果も教科書になる。
「釣れるものを釣る」事の楽しさと、私の様なヒラマサを求めた、現状把握の確認も必要なのだろうと思っている。
今回、解説項目に上げたいくつかの項目は、この様な考え方で私は組み立てています。
釣り方やメタルジグの種類などを解説する前に、こうしたヒラマサとブリとの基本的な違いを知る事で、また新たなゲーム展開が出来るのだろうと思っています。
参考にしてもらえたら、幸いです。
またヒラマサに焦点を合わせた番組が、放送されます。
2022年3月20日 17:00オンエア
BS日テレ《夢釣行〜一魚一会の旅》第509回 血湧き肉踊る対馬沖のヒラマサ〜ジギングが繋ぐ船長との熱き絆〜ここで、ブリが混成するエリアでのヒラマサを追った姿が放送されます。
ぜひ、ご覧ください。