【ヒラマサワールド、ロケはホームからの仕打ち?!】半年ぶりの海峡は女心。
今回、半年間対馬フィールドを離れてみました。
各フィールドで「この場面で対馬なら…」「対馬で例えたら、こう狙えるなっ」「流れや船の位置を見直すとしたら、春漁丸ならどう攻めてるかな?」どんな状況でも通い慣れた対馬ホームグラウンドに置き換えて釣りを展開してきた。
半年離れていましたが、沖に立てば、狙うヒラマサは意識を玄界灘で学んだ事とすり合わせ結果にコミットさせてきました。半年ぶりの、対馬釣行。なかなか悩ませてくれたホームグラウンドでした。日に分けて綴ります。
●実釣1日目
福岡空港から朝一便に搭乗し対馬入りをしてからの出船。9時過ぎにはタックルを組み厳原港から出船。目指したポイントは下対馬の先端「豆酘崎」。
「年明けまでなかなかブリもダメだったけど…」と春田船長。1月から3月までの例年は良型ブリにヒラマサが混ざる、と言うのがパターンですが、船長の話によれば、ブリがとにかく今シーズン少ない、と言っていました。
少ないのか、遅れてるのか、は春田船長はわかっていると思いましたが、その様子も私は引き出しを使い探り当てていこう、そう決めていた。船はノンストップで豆酘崎へ。ローソクの様な灯台があり、その周りに広く漁師船が点在していた。水深100m前後からスタート。
船のマイクが壊れていたので船長からのアドバイスが聞けない。水深ひとつ、反応の層、狙うポイントの状況…普段なら船をポイントに置いたらマイクで教えてくれるのだがそれが無い分、頭を最初から使わなくてはならない。
私はミヨシでロッドを振るので、船長との距離がどのアングラーよりも遠いのだ。しかしその辺りは通い慣れてるホームグラウンドだ。ポイントの様子を自分で組み立ててジグを操作していく。
朝あれだけ居た漁師船はあっという間にいなくなる。それと同時に潮が動かなくなりジグに潮の抵抗が感じられなくなった。お昼ご飯の時間。ゆっくり弁当を食べる。
午前中はヒラゴばかりであり、良型は午後からの潮交しで狙うしか無い。魚探に反応は出ているのですが、潮が細(コマ)いので活性が上がりません。魚礁ベッタリの反応に我慢できず、ギリッギリで狙うってみると案の定、根擦れに2連発でやられてしまい、終了…。
後味の悪い1日でした。魚はいます。残りの二日間をどう攻めるのかを対策して結果に繋げるようにしたいと思った初日でした。
●実釣2日目
コースを初日とほぼ同じにしてのスタート。豆酘崎から狙うのだが、ワラサ1尾すら掛からない。海に活性がないのがわかる。
その理由に漁師船がすぐに減ってしまったのだ。100mラインを丁寧に探るのだが、瀬にも反応はあっても口を使わない…と最悪な状況。このままダラダラ粘っても…と3マイルポイントへ。
アガミ沖に点在する魚礁を狙うのだがジグが垂直に落ちていき「これは、食わないね」と理解しちゃうほどの潮。こんな時は、食事を取るか寝るしかない。私はそう決めている。潮の交わしを待ち、午後スパートをかけたいのだ。無駄にチカラを使ってしまうと集中力がかけてしまい、一番集中しなくてはならない時に体の意欲や気迫が分散してしまう。だから気持ちを入れ替えるためにも1時間半休んで見た。
休憩後、ジグに掛かる潮の重みは若干であるが感じられる。しかし「流れてるね」と思えるような潮はダメで小さなヤズやヒラゴばかりの盛り上がりがなかった1日でありました。
●実釣3日目
「今日は勝負に出る。走る(遠くまでいく)よ」春田船長がまだ暗い朝7時に言ってくれた。日の出が7時を過ぎてからの暦なので朝はゆっくり。7時でも真っ暗だから一年で一番日の出が遅い時期なのかな?
船は比田勝方面に走る…海は凪。厳原港から1時間半、対馬の上まで昇ってきた。狙う水深は100m前後。魚礁を中心に狙い始める。
3日間をみてこの日が一番潮の流れを感じる。簡単に言えば「ロッドからジグを通じて釣れる雰囲気」がビンビン来るのだ。私はスタートから飛ばした。
潮止まりが11時過ぎで今9時前だからガッツリ探りたい。口を使う良型は必ず居る、と思うし初日に喰らったミスはもう起こさない。ジグはガミー。カラーはオーロラ(ミラータイプ)タイプ。2日間を通して抜群にオーロラカラーの釣果が良いのだ。
魚礁付近からジグのトレースゾーンを外し探る。ほら、食った。次もよし、ヒット。連発で魚を掛けていく。この潮で魚が付く層が把握出来た。2枚潮の様な底潮が複雑な流れだが上潮はよく動いているので船が流れる。上潮に合わした動きにしてしまうと、魚は活性の高い小型が先に食ってしまう。だからボトムから誘い上げ、中層と下潮の間に溜まるベイト層を徹底して探るとブリ2本に良型ヒラマサ1本キャッチする事に成功。
この狙い方を細かく解説した文章はエイ出版社《ソルトワールド 》誌連載『平松慶のヒラマサワールド』にしっかり書き込みます。そちらをご購入の上読んで下さいね。
●実釣を終えて。
ソルトワールド 大本編集長も私の釣りを撮影していて終わった時に「最後は仕上げてくれましたね」と。前夜の晩ご飯で今回の釣りをどうまとめてくるのかが楽しみだ、的内容を話し嬉しいプレッシャーをもらっていました。
それがあったから何としても今回の釣りを仕上げなくては、と考えていたので、3日目最終日の午前潮は勝負潮と決めていた。
船の航跡をみにキャビンに入ると「初日の借りは返したな、さすがだ」と春田船長からも褒め言葉をもらう。
同船したアングラーは頭を悩ませた3日間だったと思います。でも魚(ヒラマサやブリ)の量は半端ないストック量の対馬沖。この状況でどう食わしていくか、が課題でありそれを読み取れるとデカいサイズだけを狙い取れると思います。
ヒントは層。潮の層ではなく潮が水中で寄れる層でジグがフワフワ、ゆらゆら、ひっぱられ、もどされ、が出ている層にジグをしつこくトレース(魚に見えているか)出来ているか、がキモになります。2月、再び確認実施してきます。