【12吐く息白い、寒過ぎ皐月道東行脚】5/30『そだね〜ジャーク』誕生。

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【12吐く息白い、寒過ぎ皐月道東行脚】5/30『そだね〜ジャーク』誕生。

Goldic《おとなの遠足in北見》前半グループ、夜戻りとなりそこそこ気合の入る1日のスタートになる。

朝から昨日の雨がたまらなく気になるがバックウォーター様近くの河川を覗いてみると、なんと釣りが出来る位のささ濁り。こりゃ、やるしかない。

時間もあまり余裕がある訳ではないから朝イチから川に入る事になった。日曜日だから、加藤ちゃんがガイドしてくれる。

お店で待ち合わせをしてすぐにポイントへ向かった。

川には先行者が既に入っていた。私達はバラバラでポイントに入り、各々スタート。流れがまあまあ強く水量もある。押しが強いから立ち込まない様にして対岸近くの淀みを上手く通す様にルアーをキャストする。

シンキングミノーをほんの少々動かすイメージでボトムを転がす。少しブルっとした動きをロッドで感じたら直ぐにボトムに付け、また転がしながらの「ブルっ」を感じて動きを確認する。

シンキングミノーが底近くでぐるぐる転がらない様に意識しながらのドリフトを付け、絶対に底を丁寧にコンタクトして流していく…。「ん⁉️この動きって、カーリング⁉️だ」

冬季オリンピックで北見の選手らが一躍有名にした競技「カーリング」。漬物石をぶん投げて、3人がモップで氷上をゴシゴシして相手の陣地に迫っていく…。

私はニジマスがボトムでまだ水温が上がりきらない状況で捕食したいけど口を使い回る位の体力は使いたくない状況だろうとニジマスの気持ちになり、ならばニジマスの前にしつこくシンキングミノーを通してやろう。

あのモップをゴシゴシしながら重い漬物石を入れていく姿と重ね合わせてシンキングミノーを入れていく…。

「ゴゴゴゴ、ゴー‼️」そのダンプカーみたいな衝撃な動きがロッドに伝わりドラグが鳴き出す。

すぐにリールを巻きながら走る方向に合わせて私は動いた。まるでヒラマサだ。あのメタルジグを引ったくるパワーと攻撃力。まさにヒラマサが流れの中で掛かっている。

ダッシュで魚との距離を詰める。その時に真っ赤な頬をしたビッグママがこれでもか、と水面からジャンプを繰り返す。

なめてた。本流で5フィートちょいちょいのレングスしかないロッドでビッグママを狙おうとやってる姿自体がやはり経験値の浅い素人なのだ。ビッグママは水面でも暴れている。

横たわる位置からネットの柄を握った瞬間「あっ⁉️」ポロッとルアーが口から外れたのが見えた。身体が震えた。

パタゴニア Photo: Barbara Rowell

まぢ、全身が震えた。メジャーを当てたわけではないから、それ以上は信頼してもらえないかもしれないが、スーパームーン時にキャッチしたロクマルをゆうに超えるサイズ。もしくは同じサイズだろう。

見た目はスーパームーン時のヤツよりデカかったのだ。あの暴力的なファーストラン、セイルフィッシュみたいな跳ねる動きで体型はビッグママ…。

狙っていたんだ、と言えばカッコ良いが私はひたすらカーリングの漬物石をニジマスの面先に通したいばかりであり、ガブリとヤラれた私は何も出来なかっただけなのだ。

川のヒラマサ…。

手元に戻したスプリーモのモフィー50XHをみる。フックが折れていた…。まぢか…だからポロッとルアーが外れたんだ…。

無力無心。放心状態。座り込んでしまう。

周りの仲間達はしっかりとその様子を見ていたはず。加藤ちゃんが寄ってきた。「居たねっ‼️(サイズ)良かったんじゃない⁉️」。平鱒 渓、まだまだ経験不足を痛感。

でも、こんな街中に流れる川位置で、あんなデカいビッグママがいるんだ…。スプリーモのモフィーを漬物石に見立て探る。

「…そだね〜」。モグモグはしなかったけど、いや、しっかりモグモグした。モグモグして、ぺっ‼️って吐かれた気分(笑)。

背中に積んだ水筒のお茶をゴクゴクしながら無力無心から少しずつ現状を取り戻していく。…デカかった。まぢ、デカかった。

「逃がした魚は大きい」と言うし「釣り師と話す時は両手を縛れ」なんて言う人もいる。でも今回の1尾はきっとこれからの《平鱒 渓》釣り人生に於いて語り継がれ、忘れられない体験となるのは間違いなく、また新たな空気感を作り上げた経験となったのだ。

もうその後の事は考えられなかったし、思い出してもあまりリアルさは無い。

雨が土砂降りになってきた事と、みんなで回転寿司『トリトン』に行った事、そしてトリトンで『ニクソンロール』がやたら美味かった事が記憶の中で大きい。

でも、そんな時「平松さん、毎回デカいの掛けるねっ」と加藤ちゃんが言った言葉だけは脳裏から離れなかった。

「平松さん、いいのを掛けるねっ」…それは貴方がいつもニジマスの位置を教えてくれていたから。この時期は、こう。この時期はそこ。ニジマスを知らない《平鱒 渓》がニジマスや良型トラウトに近付いて来たのは、経験値の高い加藤ちゃんのアドバイスがあったから。

それを具体的な表現にして狙い方を当てはめて言っただけ。

後悔は尽きない。この夜、ドーミーイン北見ホテルで居残りの老沼ちゃんと部屋飲みした。

なぜ釣れないのか、なぜ釣れるのか、…釣りネタで飲むのは、淡水魚だから出来る事。本職の海の魚では、まずやらない。なぜなら仕事だから。

仕事ネタで飲んでもよい案はなかなか生まれない。仕事の事なら酒無しの方がよい。でも老沼ちゃんと話しているのは、鱒な話。

私は単純に笑いのネタも込めてではないが、メタルジグのボトムをトレースするタッチ&ゴーの動きをカービング競技に重ね合わせ、酔った勢いで言ってみた。

「ニジマス狙いは、そだねジャーク」。

酔った老沼ちゃんの顔が一瞬『アホか⁉️』と表現でもする感じを見逃さず、しかしそれ以上の追求もなくスルーした瞬間が今となれば面白く感じた。

パタゴニア

『そだね〜ジャーク』。《平鱒 渓》が新たな狙い方を身に付けた瞬間であったのだった。伝道師になって釣り歩いてやるぞ(笑)つづく

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keitanhiramatsu